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2018年12月4日(火)

きょうの潮流

 会社の資金を守れ。あのカルロス・ゴーンも慌てて号令したリーマン・ショックから10年がたちます。世界規模の金融危機は当時の経済や経営に深刻な影響を及ぼしました▼投資先をもとめて世界中をさまよう膨大なマネー。その暴走は人びとの生存にかかわるものまで投機の餌食とし、日本では大量の派遣切りも起きました。そうした状況のもとで集ったのが20カ国・地域(G20)首脳会議でした▼「10年前、世界金融危機の悪化を止める対話の場として設けられ、一堂に会した」。原点を確かめ合って開幕した今年のG20。しかしいま国際協調の枠組みは存在意義さえ問われています。掲げてきた「保護主義と闘う」の文言はトランプ米政権によって宣言から削られました▼国際的な話し合いの場でごり押しする米国第一。宣言では温暖化対策のパリ協定についても完全な履行を再確認する一方で、米国は改めて離脱を表明したと明記。分断と孤立はくっきりと▼そんななか、トランプ大統領にすり寄る安倍首相の姿が海外でも話題になっています。米紙ニューヨーク・タイムズは「各国首脳のなかでも最も熱心なトランプ氏のご機嫌取りの1人」と。大げさなおだてや愛嬌(あいきょう)をふりまいたとの報道も▼戦闘機を多く買ってくれると感謝するトランプ氏。笑みを浮かべてそれを聞く安倍首相。望まれれば何でも差し出し、新基地だってつくる。自立した国としての意見もいえない。これでは、きしむ国際社会のなかで国民を守れるわけがありません。


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