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2018年11月16日(金)

きょうの潮流

 米大リーグにはいま背番号「42」の選手はいません。偉大な足跡を残したある選手を表し、全球団が永久欠番としているからです。その人はジャッキー・ロビンソン。近代メジャーリーグの最初の黒人選手です▼1947年、有色人種排除の同リーグで歴史の扉をこじ開けました。この年、新人賞を獲得する活躍をしました。40年後の87年、その後の功績も含め新人賞に「ジャッキー・ロビンソン賞」の別名がつきます▼12日、エンゼルスの大谷翔平選手(24)が同賞を手にしました。大リーグの歴史で伝説のベーブ・ルース以来、初の投手と打者で成功しつつある選手として。投打の両立は現代野球の常識を打ち破る出来事です▼大谷選手は「だれかがやったことをやるのではなく、その上をとにかく超えていきたい」。その心意気が自身をつくり、支えています▼今季の「10試合登板、20本塁打、10盗塁」はメジャー史上初の記録です。しかし、「もっともっとこの先の方が長いと思うので、よい活躍ができるように」。いつもの柔らかな笑みをたたえつつ、満足する様子はありません▼新たな道を切り開く2人の精神は重なり合います。ロビンソンはデビュー後も人種差別とたたかいました。心無いやじ、チームで一人、宿泊を拒否されたことも。大谷選手も右肘の手術からの回復を含めて、投打で高い力を出し続ける困難と格闘していくことでしょう。どう乗り越え、歴史に名を刻むのか。爽快でロマンあふれるドラマの続きを見届けたい。


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