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2018年10月19日(金)

きょうの潮流

 「青春の意気があふれていた」。当時の本紙をみると、観戦記者の興奮した様子が伝わってきます。なによりも「オレたちの棋戦」という意気込みがあったと▼1969年10月に始まった将棋の新人王戦。「赤旗」は伝統文化である将棋にいち早く注目、それまでも日曜版で紙面を割いてきました。そして日刊の新企画とあわせ、日本将棋連盟の協力をもとに新たな棋戦をつくったのです▼若手だけでなく、アマチュアや女流棋士にも道を開いてきた新人王戦も来年で50期の節目を迎えます。羽生善治・永世七冠や佐藤天彦名人らそうそうたる顔ぶれが歴代優勝者に並ぶ、一流棋士への登竜門として定着してきました▼数々の棋士の励みとなってきた棋戦に、藤井聡太さんが新たなページを刻みました。最年少記録をぬりかえる16歳2カ月でタイトルを獲得。初体験となった「三番勝負」にも実力ある相手にストレート勝ち。「これを機にさらに活躍できるようにがんばっていきたい」と喜びを語りました▼中学生プロデビューからの快進撃は周知の通り。今年も朝日杯でトップ棋士を次々と破り優勝し、あっという間に七段まで駆け上っています。いくつもの最年少記録を更新しながら、「目の前の一局に全力を尽くすだけです」と謙虚な姿勢に変わりはありません▼「優勝という形で卒業できてうれしい」と藤井さん。新人王戦をステップに大勢の棋士が羽ばたいていったように、これからも将棋界の歴史を書き換える壮大な活躍を期待したい。


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