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2018年10月5日(金)

きょうの潮流

 すさまじい熱狂ぶりでした。メディアは連日のように彼らを追いかけ、学校や職場でも相撲が話題に。年配層が多かった国技館には女性を中心に若い世代がつめかけました▼若花田と貴花田の兄弟力士が巻き起こした90年代の“若貴フィーバー”です。ライバルたちと切磋琢磨(せっさたくま)し、頂点まで上りつめた2人の活躍は空前の相撲ブームをもたらしました。とくに、のちの貴乃花は「平成の名横綱」とまでうたわれました▼力士としても師匠としても秀でた父・貴ノ花。その後を追って大相撲に飛び込んだ息子。おかみさんとして部屋を支えた母。当時は理想の一家のように描かれましたが、亡くなった父をはじめ、今はひとりも角界に残っていません▼なぜこんなことになったのか。貴乃花の衝撃の引退にファンのみならず、大勢が同じ思いを抱いたはずです。理由にあげたのは弟子への暴行事件の告発状をめぐる問題や親方の一門所属の義務化。いずれも相撲協会の対応に不満を募らせたものです▼一方で、八角理事長は「なんで辞めるんだろう」「直接会って話せず残念だ」と。貴乃花のかたくなな態度と協会の至らなさ。互いに腹を割って話し合わなかったことが、ここまで溝を深くしたのではないか▼これで、貴乃花と同じ時期に横綱になった5人のうち、協会に携わるのは2人だけに。功労者が次々に土俵から去ることは相撲界の大きな損失です。一人ひとりの力士や親方たちを大切にしてこそ、風通しの良い組織に生まれ変わる第一歩です。


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