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2018年7月11日(水)

きょうの潮流

 敗残兵だった原作者は、自分の分身にめぐり会えたと感慨にひたりました。母は日に日に形相が変わっていく息子に「おまえを本当に戦争にとられたような気がした」▼五味川純平の小説「人間の條件」。戦争という極限下で人間としての良心を貫こうとした主人公「梶」。24歳のときにテレビドラマで演じた、その青年役が加藤剛さんの俳優人生の原点になりました。日本人のたくさんの「梶」たちが残していった遺書を受け取る覚悟で▼以来、80歳で亡くなるまで原点は揺らぎませんでした。「戦争を憎み、平和を選ぶという作品に多く出演してきました。俳優の仕事は、戦争を起こさない世の中をつくること。それが使命だと思う」▼反戦平和への強い気持ちはみずからの体験も。生まれ育った静岡・御前崎にも落ちた爆弾。実の兄のように慕っていた義兄は南洋諸島で「玉砕」。戦後の食糧難と物不足のなかで死んでいった姉…。あの悲惨さを実感として知る最後の世代といいながら、戦争の愚かさを伝え続けました▼平和な時代の礎となった憲法には特別な思いを。憲法は戦争で亡くなった人たちの「夢の形見」。絶対に守りぬかなければと、自身が属する俳優座9条の会の呼びかけ人にも。執ように改憲を狙う安倍政権を本紙でも批判していました▼逆に、一貫して戦争に反対し、憲法を守る日本共産党には熱い期待を寄せてくれました。その党はもうすぐ創立96周年を迎えます。加藤さんの遺志をうけつぎ、平和の声をさらに大きくと。


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