しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月3日(火)

きょうの潮流

 今日、めでたく日本は独立しました―。周りでお祝いの万歳をする先生や友人。彼らと自分の間に存在する、もやもやとした目に見えない壁を意識せざるをえませんでした▼1952年4月28日。沖縄から上京した両親のもと東京で生まれた新崎盛暉(あらさきもりてる)さんは都立の高校に入学して間もなく、その日を迎えました。米国と結んだ条約によって、日本は形式的には独立国に。しかし実態は対米従属に縛りつけられ、沖縄は本土から切り離されました▼日本にとっても沖縄にとっても“屈辱の日”。高校生だった自分がどこまで自覚していたかは別にして、沖縄が置かれた現実と出合い、沖縄を抱え込んで生きることになる出発点となった日だと▼その後、日米同盟と民衆のたたかいを軸に複雑な沖縄現代史の第一人者に。オール沖縄の翁長雄志県知事が誕生したときは本紙でこう語っています。「県民の方が先に進んでいて私たちを待っていてくれた。私たちがようやく県民にたどりつき、大きなパワーとなって沖縄が動きだした」▼沖縄県は2日、世界にも類を見ない貴重な海域である辺野古と大浦湾を守るため、新基地建設の断念を求める声明文を安倍首相ら日米の関係者に送付したと発表しました。現地では、きょうも市民らが埋め立ては許さないと声をあげています▼日本にとって沖縄とは何か、を問いつづけながら82歳の生涯を閉じた新崎さん。平和な沖縄、そして日本を追い求めるたたかいのなか、今年もまた“屈辱の日”がめぐってきます。


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