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2017年5月7日(日)

きょうの潮流

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 テレビとの幸せな出会いを久々に感じています。倉本聰作の連続ドラマ「やすらぎの郷」。老人ホームに集う往年のスターたちが繰り広げる悲喜こもごもの物語です▼石坂浩二ふんする主人公の脚本家は、倉本・石坂両氏の分身のように見えます。老いの現実、それでも失われない情熱。スターの実人生と創作が融合し、視聴者は自身の姿と重ね合わせます▼倉本作品といえば、1981年にスタートした「北の国から」。山田太一作「想い出づくり」と同じ時間帯の放送でした。早坂暁、向田邦子らと競い合ってドラマを送り出した時代。使い捨て同然に扱われていた脚本の出版が実現し、小説と並ぶ文学として確立していきます▼しかし、今のテレビを見ると視聴率や若者受けをねらう東京発の番組が並び、消費されればいいといわんばかりです。テレビが切り捨てたものの中に、実は宝物がひそんでいるのではないか。一石を投じたのが「やすらぎの郷」でしょう▼倉本さんが年を取って気づいたのは「おやじから残してもらったものが多かったこと」。本紙日曜版のインタビューで「損得を考えず真っすぐに生きること、たたかうことを恐れないこと」と語っていました▼3日の憲法記念日、安倍首相は9条改憲を口にします。民放のニュース番組で倉本さんは、教育勅語を肯定する政権について「安倍さんたちは戦争を知らない」と鋭いまなざしを向けました。「やすらぎの郷」に描かれた、女優と特攻との切ないエピソードを思い起こします。


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