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2014年3月21日(金)

2014年度予算案に対する

田村議員の反対討論

参院本会議

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 日本共産党の田村智子議員が20日、参院本会議で行った2014年度予算案への反対討論(要旨)は以下の通りです。


 4月1日からの消費税増税を断じて認めるわけにいきません。

 消費税率8%への引き上げを発表した際、安倍総理は、アベノミクスの効果が現れている、経済対策を進めれば景気は低迷しないと述べられました。

 実態はどうか。労働者の現金給与総額の平均は昨年、過去最低を更新。実質経済成長率も昨年夏以降1%をわり、増税前の駆け込み需要さえ低調なことが明らかとなりました。

増税中止宣言を

 収入は増えず、物価は上がり、消費は伸びない、被災地の復興・再生はこれから、このような時に庶民を直撃する増税をやるべきではありません。今からでも緊急に消費税増税中止を宣言すべきです。

 一方で、大企業向けには、復興法人税の前倒し廃止など、新たな減税のメニューが並んでいます。富裕層へは、証券優遇税制の税率を20%に戻したとはいえ、超高額所得者ほど税負担割合が低くなるという所得税の問題は解決されていません。

 その結果、来年度の国の税収は初めて、消費税が、法人税はもちろん所得税の税収をも上回ることになります。所得の低い人ほど負担が重い消費税が、わが国の最大の基幹税となります。税金とは、所得や利益に応じて納めるものです。ゆがんだ税制のあり方を抜本的に改めることが求められています。

社会保障を改悪

 反対の第二は、「雇用の多様化」の名のもと、不安定雇用を一層広げることです。

 わが党の論戦で、賃上げが景気回復のカギだと政府も認めました。この10年来、平均賃金が下がった大きな要因は、非正規雇用の労働者が増えたためです。今、一部大企業のベースアップが言われていますが、非正規雇用を増やして賃金全体が上がるはずはありません。しかし、安倍政権の政策は逆をいっています。

 派遣労働者の派遣期間の制限も取り払う、常用代替も可能とするなど、派遣労働法の改悪案が提出されました。このような規制緩和が行われれば、コストパフォーマンスを追求する企業が正社員をリストラし派遣労働者に置き換えることを一層進めることになります。

 これまで自民党政治のもとで、大企業の競争力を口実に、人件費抑制を後押しする「リストラ支援策」が繰り返し行われてきました。この政策が日本社会に何をもたらしたかを直視すべきです。

 目先の利益を追求し、労働者の犠牲を当然としてきた財界・大企業に「国家百年の計」の立場でものをいうのが政府の役割です。派遣法改悪案の撤回、正規雇用を原則とする労働法制の再構築を強く求めます。

 反対の三つめは、消費税増税と社会保障費の抑制を一体に進める、自民・公明・民主の「3党合意」で、社会保障制度のかつてない改悪が始まることです。

 年金受給額の減額、70〜74歳の高齢者の医療費窓口負担の段階的引き上げは、耐え難い痛みを高齢者にもたらします。介護保険では、要支援の方からデイサービスやホームヘルプサービスをとりあげる、特養ホームへの入所申し込みを要介護3以上に限定するなど、制度始まって以来の大改悪が狙われています。

 昨年8月に始まった生活保護費の削減は、母子世帯を追い詰めています。子どもの多い世帯ほど、引き下げ幅が大きく、「生きていかれない」という声が全国に広がっています。

 消費税増税と一体の社会保障改悪では、国民生活は底なし沼のように負担増に引き込まれてしまいます。わが党は対案として、応能負担の原則を徹底した税制、不要不急の大型開発など歳出の抜本的な見直しで社会保障を支えることを提案してきました。立場の違いを超え、建設的な議論をすべての政党に、また国民のみなさんによびかけるものです。

武力行使への道

 第四に、海外での武力行使に道を開く予算案には断固反対します。

 来年度から始まる「中期防衛力整備計画」は、軍事費を5年間で24兆円規模としており、財政難が深刻な中で異常な聖域扱いです。その内容も、政府が曲がりなりにも基本理念にしてきた「専守防衛」を後景に追いやり、海外での作戦を迅速かつ継続的に行うことを打ち出しました。

 予算案では、海からの上陸作戦に必要な水陸両用車の配備、この車両を搭載するための大型輸送艦の改修、最新鋭ステルス戦闘機F35の配備、オスプレイや無人偵察機の導入まで検討されています。

 安倍総理は、集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈を進めようとしており、「海外で戦争する国づくり」を進めるものと言わなければなりません。

 安倍内閣の軍事力一辺倒の政策は、北東アジアの緊張を強めるばかりです。

 武力による他国・他民族への抑圧、領土や覇権の拡張は絶対に許されない―憲法9条を持つ国として「紛争を戦争にしない」外交努力にこそ力を注ぐべき時です。

 日本と世界の平和と民主主義の前進のために全力を尽くす決意を述べ、反対討論を終わります。


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