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2012年6月14日(木)

米軍オスプレイ審査報告書

全国で危険まきちらす

高江(沖縄)で爆音激増

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 米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの沖縄配備に向けて米軍が作成した「環境審査(レビュー)」は、相次ぐ墜落事故で「未亡人製造機」と言われる同機が沖縄や日本全土で訓練を繰り返し、多くの住民を危険にさらすことを浮き彫りにしました。

 レビューは、沖縄県内のヘリ着陸帯69カ所でオスプレイの使用を想定し、このうち本島北部や伊江島50カ所を「戦術着陸帯」に指定して日常的に訓練で使用するとしています。

 同時に、人口密集地である本島中南部の使用も想定しています。

 加えて、沖縄・北部訓練場で新たに建設が狙われているヘリ着陸帯6カ所について、初めて、オスプレイの使用を明記しました。

 これらの着陸帯は東村高江の集落を取り囲む形で配置されるため、地元住民を中心に建設反対の座り込みが続いています。

 レビューは、新たな着陸帯1カ所あたり年420回の運用を想定。合計で2520回になり、現在、普天間基地に配備されているCH46ヘリの運用回数1288回を大幅に上回ります。

 また、北部訓練場には国の天然記念物ヤンバルクイナやノグチゲラなど希少生物が生息していますが、レビューは、ヤンバルクイナが着陸帯付近に急な巣作りやとまり木をすれば「重大な害が与えられる」としています。

 一方、本土での訓練は大幅に増えます。

 レビューは、オスプレイと交代することになるCH46ヘリは「距離のために、本土で運用を定期的に行えなかった」とする一方、オスプレイは「飛行モードで飛べるので、CH46よりも時間をかけないで、長い距離を飛ぶことができる」としています。

 これに伴い、低空飛行訓練に加えて、岩国基地(山口県)とキャンプ富士(静岡県)での米軍機の運用回数がそれぞれ、年間で500回増えます。

 オスプレイの航続距離はCH46の約4倍とされています。このため、本土への飛行が容易になります。

 日米両政府は、沖縄の普天間基地への配備の前に岩国基地へ搬入し、試験飛行を行うとしています。しかし、普天間への配備後、オスプレイは沖縄から再び、岩国など本土に戻ってくるのです。

事故率 低く見せる

 「環境レビュー」は、オスプレイの配備による「環境への重大な影響はない」としています。

 その根拠の一つは、墜落など重大事故の発生率が「10万飛行時間中1・12回」としていることです(海兵隊の平均は2・54)。しかし、今年4月にモロッコで発生した墜落・死亡事故を含めると1・93に増え、さらに2010年4月のアフガニスタンでの墜落・死亡事故など、空軍仕様のオスプレイの事故まで含めると事故率は3倍以上になります。

 また、騒音についても具体的に見ていくと、▽普天間基地周辺の学校・病院17カ所のうち5カ所でW値(うるささ指数)が上昇▽夜間飛行が増加する―などの変化が指摘されています。防衛省の環境影響評価で基準値を超える可能性が指摘された低周波騒音については、明確な見解を示していません。

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