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2012年5月29日(火)

「兵器を輸出しない国」→「兵器輸出国」への大転換

「武器輸出三原則」緩和

「死の商人」兵器産業界“特需”に沸く

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 野田佳彦内閣は昨年暮れに内閣官房長官談話の形をとって武器輸出三原則をゆるめ、同盟国、友好国向けは武器輸出三原則の例外措置として認めるとの新しい方針を決めました。45年にわたって「国是」とされてきた「兵器を輸出しない国」から「兵器を輸出する国」への大転換でした。それから5カ月、兵器産業界は「特需」に沸いています。


「長年の懸案」

 防衛省わきの都内ホテルで24日夕、日本防衛装備工業会(旧称日本兵器工業会)の定時総会祝賀パーティーが開かれました。西田厚聰同工業会会長(東芝会長)は「長年の懸案だった国際共同開発・生産への道が開かれたことはまことに喜ばしい。最大限の支援・協力をする」と述べ、兵器の開発・輸出の「解禁」を歓迎しました。

 渡辺周防衛副大臣は「すでに友好国、同盟国アメリカはもちろん、たくさんの国からの申し出をもらっている。品質の高さを世界に示したメード・イン・ジャパン(日本製)の誇りを受け継いで、国際社会とともにどう共同研究・共同開発をしていくかが課題だ。日本ならではの実効的な施策を打ち出したい」と、防衛省として全面バックアップを約束。北神圭朗経済産業大臣政務官も「防衛産業は日本の利益、国益にとっての根幹だ」と声をそろえました。

 武器を輸出できる国への転換の背景にあるのは、アメリカの圧力と、日本経団連防衛生産委員会など財界・兵器産業界の強い要請です。アメリカは、日本と共同開発しているSM3ブロックIIAミサイルが生産・欧州配備段階へ進む上で、第三国移転を認めない日本の武器輸出三原則が足かせになっているとして、その見直しを求めていました。財界・兵器産業界は、武器輸出による海外市場拡大の思惑があります。

 4月に来日したキャメロン英首相は野田首相との間で、武器共同開発・生産早期開始を盛り込む共同文書を交わしました。フランス、イタリア、オーストラリアなどからオファー(引き合い)があると報じられています。

危惧の声も…

 日本政府・外務省は、武器輸出三原則があることから「国際社会をリードできる立場にある」(外務省『日本の軍縮・不拡散外交』)と公式文書で自負してきました。しかし武器輸出三原則緩和への危惧も聞かれます。

 今年7月に4週間にかけ行われる国連武器貿易条約(ATT)交渉にかかわるNPО団体関係者は、「武器輸出三原則は憲法9条とともに軍縮・武器取引削減の国際交渉で、日本が信頼を得ていた有力な根拠だった。民主党政権が武器輸出三原則をゆるめたことで、軍縮平和における日本の国際交渉力が落ちるのは間違いない」と話します。

 武器輸出三原則緩和の動きは自民党政権時代から継続されていましたが、野田・民主党政権は「死の商人」の意向を実行する点でも「不退転」だったといえます。


 武器輸出三原則 佐藤栄作首相答弁(1967年)、三木武夫内閣の政府統一見解(1976年)で示された武器「禁輸」方針で、(1)共産圏向け(2)国連決議で武器輸出が禁止されている国(3)国際紛争当事国またはその恐れのある国―への武器の輸出を認めない、としていました。76年政府統一見解では、3地域以外についても憲法、外為法の精神にそって「武器の輸出を慎む」としました。


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