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2012年2月23日(木)

河村発言

南京虐殺否定 撤回せよ

名古屋 共産党市議団が抗議

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写真

(写真)市の担当者(左端)に申し入れ書を手渡す、(その右から)わしの恵子、田口一登、山口清明、さはしあこ、岡田ゆき子の各市議=21日、名古屋市役所

 名古屋市の河村たかし市長が旧日本軍による南京大虐殺(1937年)を否定した問題について、日本共産党名古屋市議団は21日、河村市長に抗議し、発言の撤回を申し入れました。

 河村市長は20日、同市と姉妹友好都市を結んでいる南京市(1978年提携)の劉志偉・中国共産党市委員会常務委員ら訪日代表団が名古屋市役所を訪れた際、「通常の戦闘行為はあったが、一般人への虐殺行為はなかったと聞いている」などと述べました。

 申し入れでは、「日本軍による非戦闘員を含めた殺害、略奪行為があったことは否定できない歴史的事実だ。日本政府も06年に、当時衆議院議員だった河村氏が提出した質問主意書に対する答弁書で、『旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害又は略奪行為等があったことは否定できない』と認めている」と指摘。「市民を代表する市長が、個人の特異な歴史観によって、歴史的事実とも政府見解とも異なる発言を公式の場で行うことは許されない」と厳しく抗議し、撤回を求めました。

 河村市長は、09年の9月議会でも「銃撃戦で市民が亡くなったことが誤解されて伝わっている」と発言し、南京大虐殺記念館(南京市)についても、「今のままの展示だと日本人に対して大きな誤解をうむと危惧する」と言及。昨年の教科書選定問題にからむ議会質問や地域集会でも同様の発言を繰り返し行い、市民から批判を浴びています。

 河村市長は22日、「私は私の意見を言う」と述べ、発言を撤回しない意向を明らかにしました。

交流を一時停止 南京市

 【北京=小寺松雄】中国江蘇省の南京市政府は21日夜、姉妹都市である名古屋市との交流を一時停止すると発表しました。名古屋市の河村たかし市長が、南京大虐殺の史実を否定し、南京市民の感情を傷つけたためだとしています。

 中国外務省の洪磊(こうらい)副報道局長は22日の記者会見で、南京市の今回の措置について「理解し、支持する」と述べました。


南京大虐殺否定発言

歴史の事実 直視すべきだ

 河村たかし名古屋市長の南京大虐殺についての発言は歴史の事実に反するものです。

 南京大虐殺とは、37年12月、中国への侵略戦争の中で旧日本軍が当時の中国の首都・南京を攻略・占領し、中国軍兵士だけでなく、一般市民を虐殺した事件です。市民の殺害、婦女の強姦(ごうかん)、放火、略奪などの残虐行為は占領後2カ月にわたり続きました。

 犠牲者は30万人以上ともそれ以下とも言われていますが、日本軍による虐殺は国際的にも認められた紛れもない事実です。

 それは当時の日本政府・軍の当局者の証言でも明らかです。当時の外務省東亜局長だった石射猪太郎は回顧録『外交官の一生』の中で、日記の一節を紹介し、「上海から来信、南京に於(お)ける我軍の暴状を詳報し来る。掠奪(りゃくだつ)、強姦、目もあてられぬ惨状とある。嗚呼(ああ)これが皇軍か」と書いています。

 外務省外交史料館に所蔵されている当時の中支那方面軍司令官だった松井石根陸軍大将の日誌には、南京入城の際、「幾多我軍の暴行奪掠(だつりゃく)事件を惹起(じゃっき)し、皇軍の威徳を傷くること尠少(せんしょう)ならさるに至れるや」という事実が記されています。

 日本政府も公式見解として、「多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」(外務省ホームページ)と述べています。日本政府が認めている事実に背を向け、南京事件は「なかった」などというのは政治家としての資質が問われる問題です。

 今年は日中国交正常化40周年です。日中両国は「日中国民交流友好年」と位置付け、両国各地で交流と友好のイベントを企画しています。今年を真の日中友好の年にするためにも、歴史を直視しない政治家の発言を許してはなりません。(小林拓也)


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