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2009年10月14日(水)「しんぶん赤旗」

日本共産党第9回中央委員会総会開く

総選挙の教訓生かし参院選勝利必ず

党大会に向け「党躍進特別期間」提案

志位委員長が幹部会報告


 日本共産党は13日、党本部で第9回中央委員会総会を開きました。会期は2日間です。志位和夫委員長が幹部会を代表して報告し、総選挙結果の見方と党が果たすべき役割の基本点について解明した「党創立87周年記念講演」(9月9日)を前提にしつつ、内外情勢のいくつかの問題と日本共産党の立場、総選挙の総括と教訓、参院選挙勝利にむけた基本方針などを明らかにしました。また、第25回党大会の招集日と議題について提案(別項)。「党躍進特別期間」を設定し、大きな上げ潮のなかで大会をむかえようとよびかけました。


写真

(写真)報告する志位和夫委員長=13日、党本部

 情勢問題で志位氏は、民主党政権は発足したばかりで不透明な問題が多く、「今後の国会論戦などを通じて、事実にもとづいて見定め、対応していく」としたうえで、現時点で日本共産党の立場を明らかにしておくべきいくつかの問題を提起しました。

 第一は、暮らしの切実な要求にこたえ、国民生活の危機を打開するたたかいを、あらゆる分野で大きく発展させることです。

 どんな問題でも党のたたかいの出発点は「国民の切実な要求と、わが党が総選挙で国民に公約した政策」と強調。雇用、社会保障、中小零細企業、農業、子育て、地球温暖化、消費税の各分野での党の基本的立場を提起し、その実践のための国民的たたかいの発展をよびかけました。

 新しい情勢のもとで、国民要求にもとづくたたかいをすすめる留意点として、(1)自民党の支持基盤が大規模に崩壊するもとで、従来の枠を大きく超えた国民各層との対話と共同の可能性をくみつくした活動の攻勢的な発展が求められていること(2)財界・大企業の抵抗と圧力を打ち破る世論と運動が不可欠―との2点を強調しました。

 第二は、民主党の政権運営の基本姿勢にかかわる問題です。

 一つは、総選挙で民主党のマニフェスト(政権公約)は「信任を受けたのだから、有無を言わさずやる」という、「マニフェスト絶対主義」ともいうべき態度が一部にみられることです。いま一つは、小沢一郎幹事長が進めようとしている「国会改革」の問題です。これは、官僚の国会答弁禁止、委員会の定数削減など国会権能の弱体化、形骸(けいがい)化につながる問題をはらんでいます。

 志位氏は、この二つは民主主義の軽視という点で表裏一体の危うさがあると、率直に指摘。民主党政権に対して、数の力におごることなく、国民の声に謙虚に耳を傾け、民主的な政権、国会運営を行うよう強く求めました。

 第三は、「核兵器のない世界」をめざすたたかいで注目すべき情勢の進展が生まれていることを、この間の国連安保理、アジア政党国際会議での動きを例に詳しく報告。日本共産党が戦後一貫して追求してきた核兵器廃絶の目標が、今日の世界の動きと大きく共鳴しあっているとのべるとともに、この目標実現のためには核兵器廃絶そのものを正面からの主題とした国際交渉を開始することが重要だとよびかけました。

 第四は、「米軍再編」問題、インド洋での給油問題、対アフガン政策など、日米軍事同盟にかかわって直面している問題についてです。これらの問題では、鳩山政権の対応が定まっていません。

 志位氏は、「それだけにいま平和を守るたたかいをおこすことが待ったなしの重要な課題になっている」として、「米軍再編」の名による基地強化を許さないたたかい、憲法違反の自衛隊海外派兵をやめさせるたたかいなどを強調しました。

総選挙の総括と教訓

 総選挙の総括と教訓に報告をすすめた志位氏はまず、全党が総選挙の結果で確信にすべき点について、(1)政治論戦(2)07年9月の5中総以降の支部を基礎としたとりくみ(3)今回の選挙がどういう客観的情勢のもとでたたかわれたか―の三つの角度から語り、善戦・健闘の政治的意味を解明しました。

 そのうえで、次の国政選挙=参院選でどう勝利をかちとるかという立場から総括を進めました。

 全有権者を対象にした宣伝、対話・支持拡大のとりくみでは、これまでにない積極的な奮闘が生まれたが、同時に他党との関係では立ち遅れをきたした問題も少なくなく、到達点も不十分であったとし、これは「やるべきことをやりきっての結果ではなかった」とのべました。

 志位氏はそのうえで、私たちの活動が目標に及ばなかったのは、「私たちが実力をつける途上の選挙だった」からで、ここにこそ総選挙から引き出すべき最大の教訓があると強調しました。そして、「持てる力を出し切って選挙戦をたたかったか」「党の自力そのものはどうだったか」という二つの角度から自己検討を行うとともに、今回の総選挙で得票率を大きく伸ばした先進的党組織の経験を全党が学び、参院選挙にむけて必ず前進・躍進できる強大な党をつくりあげようと訴えました。

 比例での前進に力を集中することを眼目とした新しい選挙方針の実践と教訓についてふれたあと、過去3回の総選挙で連続して9議席にとどまり、四つの比例ブロックでは連続して空白が克服できていないなどの問題に言及。比例ブロックごとに政治的力関係を変え、どう議席増をはかるかの政治的・組織的戦略をもつことを新たに提起しました。

 志位氏は、来年の参院選挙は、民主・社民・国民新の与党3党、「建設的野党」の日本共産党、退場の審判を下された自民党と公明党というまったく新しい政党配置のもとでの政治戦となり、「たたかいいかんでは、これまでの政党間の力関係を大きく変える可能性をはらんだ政治戦となるだろう」と展望を示しました。

参院選勝利のたたかい

 参院選挙勝利のたたかいの基本方向としては、(1)比例代表で、「650万票以上」に見合う都道府県、地区、自治体、支部ごとの得票目標をあらためて明確にし、その達成にむけたとりくみをただちに開始する(2)1年半後に迫ったいっせい地方選挙の政治目標と候補者決定をいそぎ、地方議員と予定候補者が参院選を一体にたたかう態勢をつくること―を強調しました。

党大会にむけて

 党大会にむけて設定した「党躍進特別期間」では、(1)国民要求実現、公約実践の活動を、あらゆる分野ですすめる(2)「党綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」を、新たな情勢のもとで発展させる(3)党勢拡大の大きな上げ潮で大会を迎える(4)すべての党員が条件にそくして党活動に参加する、強く、あたたかい党づくりにむけて「党生活確立の3原則」―支部会議に参加する、「しんぶん赤旗」日刊紙を読む、党費を納める―の四つを課題に、成功させようとよびかけました。


第25回党大会 来年1月13日から

 第9回中央委員会総会は13日、第25回党大会の招集日と議題についての幹部会の提案を拍手で確認しました。

 招集日は2010年1月13日。会期は16日までの4日間。

 議題は、一、大会決議と中央委員会報告、一、中央委員会の選出、一、その他。



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