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2009年8月30日(日)「しんぶん赤旗」

平和地域として強化

南米諸国連合首脳会議が共同宣言

コロンビア米軍増強「安全脅かす」

軍事基地の査察検討も


 南米12カ国で構成される南米諸国連合(UNASUR)は28日、アルゼンチンのサンカルロスデバリロチェで首脳会議を開き、コロンビアで計画されている駐留米軍増強問題を協議しました。会議は「南米を平和地域として強化する」とし、「外国軍部隊の存在は南米各国の主権と領土保全、域内の平和と安定を脅かしてはならない」と明記した共同宣言を採択しました。(浅田信幸)


 共同宣言を実践するために、首脳会議は加盟各国の外相と国防相に対し、軍事基地の査察に関する協力協定を作成するよう指示しました。査察はUNASURの作業グループが行います。協力協定は9月上旬にUNASUR外相・国防相会議で取りまとめられることになりました。

 首脳会議議長のアルゼンチンのフェルナンデス大統領は会議後の記者会見で、麻薬取り締まりに軍隊を使う国もあれば使わない国もあることを指摘し、「重要なことは軍事基地の査察と検証に関するメカニズムだ」と強調。「(UNASURの)査察官が活動できるよう保証するメカニズムを閣僚たちが提案することになる」と述べました。

 会議には今月10日のUNASUR首脳会議に欠席したコロンビアのウリベ大統領も出席。同大統領は「政治的策略の問題ではなく、コロンビア社会に血をまきちらす脅威を問題にしているのだ」と述べ、麻薬取り締まりに米軍の支援を求めることへの正当性を主張しました。

 これに対しベネズエラのチャベス大統領は米軍の関連文書を示し、米軍増強が「戦争の種」をまくものであり、「米国によるグローバルな支配戦略の一環だ」と批判。エクアドルのコレア大統領は「UNASURの防衛評議会が基地を査察できるようになることを期待する」と述べ、ブラジルのルラ大統領と同様にオバマ米大統領との会談の必要性を強調しました。


 コロンビアの米軍増強計画 米国とコロンビアの間で8月14日、麻薬取り締まりのためとして、米軍に、コロンビア国内にある7基地の使用を向こう10年間にわたり認める合意が成立しました。これに対し南米諸国は、米軍による軍事介入の拠点になると非難、あるいは懸念を表明しています。


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