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2009年8月10日(月)「しんぶん赤旗」

不発弾処理に300年

米と調査 中部6省 面積の35%

ベトナム


 【ハノイ=井上歩】ベトナム国防省はこのほど、ベトナム戦争中の不発弾を中部6省で調査した結果を公表し、「現在の処理ペースでは、ベトナムから不発弾をなくすのに約300年かかる」と報告しました。

 国防省の不発弾処理技術センターはベトナム退役米国軍人財団と共同し、戦火の激しかった中部6省で昨年末まで4年10カ月にわたり調査を実施。米軍資料や住民の聞き取りなどをもとに不発弾や地雷、爆発物の残存する地域を特定し、その合計は6省合計面積の約35%にのぼるとしました。

 調査結果によると、この6省ではベトナム戦争が終結した1975年以降、不発弾により1万529人が死亡、1万2231人が負傷しました。過去5年でも400人以上が死亡しています。

 ベトナム国防省によると、米軍はベトナム戦争で約1535万トンの爆弾類(うち空爆795万トン)を使用。約5%が不発弾として残り、現在でも約80万トンの不発弾が残っていると同省は推計しています。不発弾が残る面積はベトナムの国土の約20%、約6万6000平方キロメートルになるとしています。

 ベトナムの現在の不発弾処理ペースは年200平方キロメートルで、同省は完全処理に300年以上、経費も100億ドル(約9500億円)以上かかるとみています。

 調査した6省はゲアン、ハティン、クアンビン、クアンチ、トゥアティエン・フエ、クアンガイの各省。不発弾処理技術センターなどは、調査にともない約2万4000発の不発弾・地雷類を処理しました。


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