
2009年2月12日(木)「しんぶん赤旗」
民意削る国会議員定数削減
自民・民主が具体化着手
消費税増税の地ならしのために持ち出されている国会議員の定数削減問題で、自民、公明、民主各党が具体的な検討を始めています。次期衆院選のマニフェスト(政権公約)にも議員定数削減を明記する方針。与党と民主党の双方による、民意を削る競い合いとなっています。
■与党
自民党は十二日に党所属議員を集めた全体会議を開き、議員定数削減の議論を本格化させます。党内では「消費税増税の前に議員定数の大胆な削減を」(山本一太参院議員)と主張する中堅・若手議員グループが、「今後四年間で三割の削減」の数値をマニフェストで示すよう党執行部に求めています。
五日の自民党の党改革実行本部(武部勤本部長)と選挙制度調査会(村田吉隆会長)の合同拡大幹部会では、議員定数、議員歳費、政党助成金の削減を今後の主な検討項目として確認。ただ、「予断を入れず幅広い議論をしたい」(武部氏)として、衆参両院議員の大幅削減を図る一院制導入もテーマにしています。
党所属議員でつくる「衆参両院を統合し一院制の新国民議会を創設する議員連盟」会長の衛藤征士郎衆院予算委員長は、議員定数の論議で「比例のあり方の見直し」に言及。民意を比較的正確に反映する比例代表の削減を標的にする動きが強まっています。
公明党は、太田昭宏代表が議員定数と議員歳費の削減などを協議する与野党協議会の早期設置を提案するなど、民主党も巻き込んだ動きをつくろうとしています。
北側一雄幹事長は四日の記者会見で「定数削減を具体的にやろうとすれば、選挙制度の問題に入ってこざるを得ない」「衆院選に向けマニフェストに盛り込んでいきたい」としています。
■民主党
民主党は「麻生首相の人気がないので、議員定数の削減、歳費削減などを与党は言い出している」(鳩山由紀夫幹事長)と批判しますが、比例代表を標的にした議員定数削減を強く迫っています。
六日の党政治改革推進本部(本部長・岡田克也副代表)の役員会では、衆院選マニフェストに、衆院比例定数の八十削減を盛り込むことを決定。参院についても、党内に協議会を設け、定数削減に向けた議論を開始するとしています。