2007年5月1日(火)「しんぶん赤旗」

林野庁天下り38人

林道談合 強制調査6法人に

常勤役員 3分の2がOB

解明責任の農水相には献金


 農林水産省所管の独立行政法人「緑資源機構」(川崎市)発注の調査業務をめぐる官製談合事件で、公正取引委員会の強制調査を受けた同機構はじめ六つの公益法人役員の三割以上にあたる三十八人が林野庁OBであることが本紙の調べでわかりました。これらの公益法人は緑資源機構が発注した業務を多数受注しており、癒着の構造が改めて浮き彫りになりました。


 緑資源機構と五つの公益法人の役員計百十七人のうち、四十一人が天下りで、旧建設省など三人を除く三十八人が林野庁OBです。うち二十四人が常勤役員で、緑資源機構、森公弘済会(東京都千代田区)の各理事長と林野弘済会(同文京区)の会長は林野庁長官経験者です。六法人の常勤役員は計三十二人なので、じつに三分の二を占めていることになります。(表参照)

 緑資源機構は、国から巨額の補助金を得て全国で大規模林道を建設。測量、設計、地質・環境調査など関連するコンサルタント業務を発注しています。

 入札調書によると、二〇〇一年―〇六年度までの六年間の発注件数は同機構本部と八カ所の地方建設部を合わせて計五百九十八件にのぼりますが、財団法人「林業土木コンサルタンツ」(同文京区)が最多の百二十七件を落札しています。同「森公弘済会」九十一件、社団法人「日本森林技術協会」(同文京区)十六件と続き、五つの公益法人で四割を超す二百五十二件を落札しています。

 こうした実態について、天下り受け入れの見返りに緑資源機構から業務を受注していたとの指摘が出ています。

 緑資源機構をめぐる談合疑惑の解明について、農水相として責任ある立場の自民党・松岡利勝衆院議員は、森公弘済会の塚本隆久理事長(元林野庁長官)から六十万円の献金を受け取っているのをはじめ、強制調査を受けた林野弘済会(百八十四万円)、林業土木コンサルタンツ(九十六万円)などからも献金を受けています。

 松岡農水相は二十七日、談合に関与した公益法人への同機構や林野庁からの天下り自粛を指示しましたが、林野庁OBの役員は理事長で年収千二百万―千五百万円もの多額な役員報酬を受け取っており、談合疑惑の真相解明とともに税金をくいものにする政官業癒着の構造に徹底的にメスを入れる必要があります。

表

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