
2007年3月31日(土)「しんぶん赤旗」
原爆症認定訴訟
国控訴に抗議
厚生労働省は三十日、原爆症認定集団訴訟の仙台、東京両地裁判決の敗訴部分について控訴しました。両判決は、同省の機械的な原爆症認定のあり方を明確に批判。被爆者たちは「集団訴訟の五つの地裁が同様の司法判断をくだしたのだから、国は控訴せず、認定制度を改革すべきだ」と求めていました。厚労省は控訴理由として、両地裁判決は「誘導放射線や放射性降下物の影響を過大視し、通常少ない被曝(ひばく)線量では起こらないと解されている急性症状を放射線によるものと認定している」と裁判で完全否定された主張をくり返しています。
厚労省の控訴に、原水爆禁止日本協議会と日本平和委員会は同日、抗議文を送付しました。日本原水協は、これまでの判決によって「被爆者切り捨て行政の誤りと非人道性はすでに明らか」と指摘。日本平和委員会は「国はどこまで被爆者を苦しみ続けるのか」と批判し、被爆者による抗議の座り込み行動(四月二日―四日、厚労省前)への支援を表明しています。