2003年1月15日(水)「しんぶん赤旗」
小泉純一郎首相は十四日午後、東京・千代田区の靖国神社に参拝しました。一昨年八月十三日、昨年四月二十一日に続き、就任後三年連続の参拝強行で、各界から「憲法上到底許されない」など抗議の声があがるとともに、中国、韓国はじめアジア諸国からもきびしい批判が起きています。靖国神社は戦前、宗教的軍事施設として軍国主義と侵略戦争遂行の精神的支柱とされ、戦後も東条英機元首相をはじめA級戦犯を「昭和殉難者」として合祀(ごうし)しています。首相は参拝に際して「内閣総理大臣 小泉純一郎」と記帳しました。
参拝に先立って首相は、「(参拝は)一年に一回だ」とのべ、八月や四月の参拝を見送る考えを示しました。参拝の理由として、「正月ですし、新たな気持ちで平和のありがたさをかみしめ、二度と戦争を起こさないように」とのべました。
アジア諸国からの批判を念頭に「日中友好、日韓友好。この気持ちに変わりはない」とのべました。
小泉首相の靖国参拝をめぐっては、一昨年八月の参拝強行に批判が集中したため、昨年は同神社で「春季例大祭」が行われる四月に参拝。アジア諸国からの強い批判で、日中国交正常化三十周年に合わせた首相訪中が実現しませんでした。
今年は四月にいっせい地方選挙を控え、批判をかわすために通常国会開会前に参拝したとみられます。
【北京14日小寺松雄】中国の楊文昌外務次官は十四日午後、日本の阿南惟茂中国大使を外務省に呼び、小泉首相の靖国神社参拝に厳しく抗議しました。
楊次官は「靖国神社は第二次世界大戦で中国とアジアの民衆を殺したA級戦犯をまつってある。小泉首相の誤った行動に強い不満と憤りを表明する」と述べ、「小泉首相の参拝は中国とアジアの国民感情と中日関係の政治的基礎を傷つけ、日本政府が侵略を反省すると言明してきたことに背くものだ」と抗議しました。
楊次官はさらに「歴史を正しく認識してこそ悲劇の再発が防げるし、アジア太平洋地域の平和と安定が確保できる」と指摘したうえで、「中日関係を“歴史をかがみに未来に向かう”という正しい道に戻すよう希望する」と述べました。
阿南大使は、小泉首相が語った「参拝理由」を説明したうえで、「抗議の内容は本国に伝える」と答えました。