日本共産党

2003年1月12日(日)「しんぶん赤旗」

ハーグ世界市民平和会議とは?


 <問い> 日本国憲法の九条を高く評価した世界市民平和会議について耳にしますが、どんな会議だったのですか。 (神奈川・一読者)

 <答え> 一九九九年五月にオランダのハーグで開かれた世界市民平和会議は、二十一世紀に戦争を根絶することをめざし、課題や行動計画を討議した国際会議です。百年前のハーグ平和会議を記念しています。

 一八九九年と一九〇七年のハーグ平和会議(世界平和会議、万国平和会議)は、主要議題の軍縮で合意はできませんでしたが、交戦国のルールをまとめたハーグ陸戦条約を採択し、常設仲裁裁判所など紛争の平和的解決にあたる国際機関を設置しました。ダムダム弾など非人道的兵器の使用を禁止する諸宣言も決議するなど、戦争を違法化し平和的解決を追求する国際政治のさきがけとされています。

 それから百年後の世界市民平和会議は、国際平和ビューロー、反核国際法律家協会などのNGO(非政府組織)が呼びかけたものです。オランダ政府も後援し、約百カ国から一万人ほどが集まりました。日本からも被爆者団体協議会(被団協)、原水爆禁止日本協議会(原水協)など各分野から約四百人が参加しました。

 会議では、「戦争の根本的原因」や「平和の文化」「国際人道法・人権法・制度」などを中心テーマに、四百余の分科会で多角的な討論が行われました。日本からの参加者は、被爆の実相や在日米軍基地問題、日本国憲法の恒久平和主義の意義などを強く訴えました。

 会議は提言や行動提起からなる「二十一世紀の平和と正義のためのハーグ・アジェンダ(課題)」を採択しました。また、討論のまとめとして「公正な世界秩序のための基本十原則」が確認されました。この「基本十原則」の第一項目は、「各国議会は、日本国憲法第九条のように、自国政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」としています。憲法九条への国際的な共感の広がりを示しています。(水)

 〔2003・1・12(日)〕


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