2003年1月7日(火)「しんぶん赤旗」
和歌山市和歌浦南に同市が建設中の文化施設「夢舞台万葉不老館(仮称)」の用地買収を巡り、和歌山県警捜査二課は六日、前市長の旅田卓宗容疑者(57)を収賄容疑で、吉永建設社長木下吉隆容疑者(39)を贈賄容疑でそれぞれ逮捕しました。
木下容疑者は昨年十一月、不老館購入で県に提出すべき書類の届け出を怠っていたとして国土利用計画法違反容疑で逮捕されました。同じ年の十二月には、木下容疑者らが、同用地を使い銀行から不正に融資を受けたとして詐欺罪で再逮捕されました。用地買収をめぐるこの「不老館事件」は、当時の市トップ逮捕にまで発展しました。
問題の用地は二〇〇〇年六月二十日、木下容疑者がレジャー会社(倒産)から約三億八千万円で購入。二日後、当時市長だった旅田容疑者が、約四億九千万円で買収する補正予算案を市議会に提案し、その後可決したもので、木下容疑者は、わずかな期間に、約一億一千万円もの利ざやを稼ぎました。
調べでは、旅田容疑者は、市による買収が確定した後、便宜を図った見返りに木下容疑者から数百万円を受けとった疑いです。
日本共産党和歌山市議団は、不明朗かつムダな事業として不老館買収に反対を貫きました。
逮捕された同日、同党市議団はJR和歌山駅前などで街頭宣伝し、事件の全容解明と清潔な政治実現を訴えました。