2003年1月7日(火)「しんぶん赤旗」
【カイロ6日小泉大介】イスラエルのテルアビブ中心部で五日夜、パレスチナ過激派による自爆テロが連続して二件発生、犯人二人のほか、二十三人が死亡、百人以上が負傷しました。テロが起きた場所は混雑した商店街で、東欧やアフリカなど外国人労働者の多く住む地域。犠牲者のなかには多数の外国人が含まれているもようです。
パレスチナ過激派によるイスラエル領内での自爆テロは昨年十一月二十一日以来。二十三人もの犠牲者がでたのは、昨年六月中旬にエルサレムでバス爆破で十九人が死亡して以来となります。
パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの軍事部門「アルアクサ殉教者旅団」が犯行声明を出したほか、イスラム過激派組織ハマスとイスラム聖戦も犯行声明を出しました。
パレスチナ自治政府は五日の声明で、「イスラエル市民を標的としたテロ攻撃」と非難するとともに、テロに関係した者を断固、追及すると表明しました。
イスラエルのシャロン首相は、六日の治安閣議で、ブレア首相主催で今月ロンドンで開かれるパレスチナ自治政府改革に関する会議へのパレスチナ代表団の参加阻止など一連の報復措置を決定しました。またイスラエル軍は報復とし五日深夜、武装ヘリコプターでパレスチナ自治区ガザ市にミサイル九発を撃ち込み、金属工場を破壊したほか、ガザ地区南部に戦車部隊を侵攻させました。
イスラエルでは今月二十八日に総選挙が予定されており、今回の自爆テロで「治安問題」が総選挙の最大争点になることは必至で、シャロン首相率いるリクードなど右派勢力を勢いづかせる可能性が出ています。