日本共産党

2002年12月28日(土)「しんぶん赤旗」

ラングーン事件とは?


 〔問い〕 北朝鮮が起こした国際的無法行為の一つ、ラングーン事件とはどういうものですか。(愛知・一読者)

 〔答え〕 ラングーン事件とは、一九八三年十月九日、ビルマ(現在のミャンマー)を訪問中の韓国の全斗煥大統領一行を襲った爆弾テロ事件です。

 この日、一行がビルマの独立運動家らをまつるラングーン市内のアウンサン廟(びょう)へ献花に訪れると突然、天井で大爆発が起こり、韓国とビルマの高官ら二十一人が死亡しました。韓国側は北朝鮮の組織的な陰謀と主張。北朝鮮側は全大統領が「強力な爆弾の洗礼」を受けたと報道、のちに全斗煥自身の自作劇と主張します。

 十一月四日、ビルマ政府は事件を北朝鮮の犯行と断定し、同国との国交を断絶しました。ビルマの裁判では、三人の北朝鮮軍人(二人は逮捕、一人は死亡)が実行犯として告発されました。

 日本共産党は、ビルマ政府の発表を受け、テロは断じて共産主義運動の態度ではなく、どの国によるものであれこの種のテロに反対するなど、一連の見解を発表しました。これに在日本朝鮮人総連合会傘下の日本語新聞「朝鮮時報」が、「謀略に同調する行為」だと非難。党は、北朝鮮の司令官や参事官の氏名まで具体的にあげた供述調書を「噴飯もの」とする「朝鮮時報」の主張をきびしく批判しました。この事件以後、日本共産党と朝鮮労働党との関係は断絶しました。

 このころ、社会党(社民党などの前身)は、事件は北朝鮮にとって「不利益そのもので無縁の行為」とするなど北朝鮮を弁護していました。公明党も十月には「事件の真相は、まだ今後の捜査を待つしかない」としていましたが、十二月にビルマの地方裁判所が死刑判決を下してからも、「不幸な事件」とするだけでした。事件から一年ほどたってから「われわれも強い批判を加えてきた」などと、最初から批判していたかのように描いています。

 

 〔2002・12・28(土)〕


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