2002年12月28日(土)「しんぶん赤旗」
【モスクワ27日北條伸矢】ロシア南部・チェチェン共和国の首都グロズヌイで二十七日午後、共和国行政府庁舎に爆発物を積んだ二台の車が突入して爆発し、同日夕までに少なくとも三十二人が死亡、六十人以上が負傷しました。テレビ報道によると、建物は大破してがれきの山となり、空爆の後のような惨状です。地元治安当局は自爆テロと断定しました。
当局は武装勢力によるテロとみて、捜査を開始しました。爆発時、カディロフ行政府長官はモスクワに出張中のため、無事でした。同長官は「(独立派の)マスハドフ元共和国大統領の仕業だ」と非難しました。
建物では通常百五十―二百人が働いているとされ、さらに犠牲者が増える可能性もあります。
チェチェン武装勢力のテロだとすれば、十月にモスクワで起こった劇場占拠事件以来、最大の惨事となります。グロズヌイでは、十月十日、地元警察の建物が爆破されて二十五人が死亡した事件以来の大規模テロとなります。