日本共産党

2002年12月18日(水)「しんぶん赤旗」

肺がん新薬

海外でも39人死亡

厚労省 知りつつ公表せず


 発売後わずか四カ月半で八十一人の死者を出した肺がん治療薬「イレッサ」(一般名・ゲフィチニブ)で、承認前に海外で副作用のため三十九人死亡していたことが十七日わかりました。厚生労働省もこの事実を知っていましたが、公表していませんでした。製薬会社で輸入販売元「アストラゼネカ」(本社・大阪市)が明らかにしたもの。

 同省審査管理課は「承認前は一般に副作用についての公表はしていない。臨床試験を行っていた病院にたいしては連絡してきた」としています。

 同社広報部によると、欧米など海外で臨床試験や「倫理的供給」によって二万―二万五千人に投与され、そのうち昨年十一月から今年九月までに百五十二人の副作用の報告があり、このうち肺障害など副作用で亡くなった人は三十九人にのぼったといいます。こうした事実については「そのつど厚生労働省に報告してきた」と話しています。

 同社は米国食品医薬品局に「イレッサによる生存率にはとくに有意な改善は認められない」と報告。米国では承認が延期され、世界で承認されたのは日本だけでした。

 小池晃参院議員の話 肺がん患者は大変期待をかけていた薬です。それだけに重大な被害をうけたわけで、情報を公表しなかった厚労省の罪は大変に重い。この間国会で安全性軽視の問題を追及し、同省が次々に危険性を知りつつ承認した事実が明らかになった。この薬にいちるの望みをかけ希望を持っていた人にとっては許せないことだと思います。


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