日本共産党

2002年12月15日(日)「しんぶん赤旗」

列島だより

食べて安全、環境に優しい農業

自治体の支援が励みに 日本共産党も議会で後押し

消費者が支持 生産者元気に


 国の農業切り捨てのもとで、農業を守り、独自の施策をすすめる自治体があります。有機農業を推進したり、加工品の開発を援助したり、環境を守る農業を奨励したり、生産者、消費者を大きく励ましています。


埼玉 米、パン県内産の学校給食

 「このパン、おいしい」―子どもたちにも学校給食ですっかりおなじみとなったパン「さきたまロール」。県産小麦を原料に焼き上げたパンが埼玉県内すべての公立小中学校に供給されたのは二〇〇〇年四月です。

 埼玉県は一九九八年十二月、学校給食に県内産米の使用を皮切りに、県内産の農産物を積極的に取り入れてきました。

 今では、学校給食のごはんすべてが県内産米で、県内産小麦の「地粉うどん」やすいとんもメニューに。大豆は、納豆、豆腐などに加工されています。

 さいたま市立新開小学校の栄養士、加藤信子さん(47)は、「おいしければ嫌いな物も食べられるようになります。地場でとれた新鮮でおいしい野菜を子どもに食べさせることができるようになってきました」と言います。

 県内産作物の積極的活用にあたって、農民連や食健連の大きな役割がありました。九〇年代はじめアメリカ産小麦から残留農薬が検出されたのを契機に、パンの試作品までつくり、浦和駅頭で試食会を開くなど、地元産の安全な農産物を使うことをアピールしました。

 日本共産党も議会で積極的に取り上げ運動を後押しし、やがて県産米の使用、そして全国初の県産小麦100%のパンが実現したのです。

 埼玉県は環境にやさしい農業の普及と県民への安全な農産物の提供のために、「彩(さい)の国有機一〇〇倍運動」と称して、農薬や化学肥料の使用量を二〇一〇年までに半分に減らす(九五年比)目標を掲げています。

 その一つに、スーパーマーケットなどと農業者が連携し、店舗から出る野菜くずや調理残しなどをたい肥化し、それを利用して生産した地場農産物をスーパーに供給する事業があります。

 この事業で狭山市のさいたまコープ「ポレール狭山台店」に野菜を出荷している矢部智一さん(29)はいいます。

 「二年前、県の支援も得て野菜の出荷を始めました。消費者の顔がわかり、直接つくった野菜を紹介でき、意見や要望も聞けます。たとえ売れ残っても、それを利用してたい肥をつくることができ、本当に環境にやさしい農法です」(埼玉県 瀬戸由則記者)


島根・柿木 有機農業で“活気ある村”に

 島根県の西南端にある柿木(かきのき)村の人口は千八百九十人です。この小さな村で、ことしも十一月に農業文化祭を開き、周辺市町村や広島県から村人の三倍の六千人余が参加しました。安全、安心の農産物への消費者の期待の大きさに、村の生産者も驚いていました。

 村では、一九九一年の「柿木村総合振興計画」で「健康と有機農業の里づくり」を掲げて以来十一年間推進し、いまでは「活気のある村」という評価が定着しています。

 特定の産品に頼らずに、多くの種類の農産物を生産・自給し、村民の健康を保持し、同じものを都市部の消費者に食べてもらうことをめざしています。

 行政に先立って、農家のお母さんたちが県内外の消費者と提携し、無農薬、化学肥料なしの米や野菜の供給配送を十五人でスタートさせ、一九八六年には、村の補助を得て生産拠点の加工施設を建設。ミソ、タケノコ、もちなど、いろんな商品が生まれました。

 こうした活動、交流を継続するうちに、行政の考え方も変化しました。

 いま生産者は、アイガモ、紙マルチ、ぬかを使った米や、無・低農薬の野菜づくりをすすめ、広島県や山口県の学校給食に野菜、ミソなどの加工品を届けています。

 行政は、ビニールハウス、牛ふんたい肥、防虫用ネットへ助成し、棚田の農道・道路整備、交流援護などを実施。日本共産党は、当初から地域農業を支援するよう議会で取り上げ、大豆生産の助成では、実現させる成果をあげてきました。

 中山間地の狭く傾斜した耕地では、小規模多品目で経営を維持し、他の産業分野に波及をめざした独自の方向をめざしてきました。

 「全国棚田百選」に選ばれた棚田の原風景を生かし、オーナー制度、トラスト制度を実施し、保全と都市との交流を深めています。

 三浦秀史村長は、「環境を守り、安全な食料を生産する農林業の原点を見失いたくない。輸入に頼らない産物で、流通面でも村民参加の場を少しでも広げたい」と語っています。(河野通昭村議)


長野 将来はブランド?原産地呼称

 ブランドには少々こだわりをもつ田中康夫氏が知事の長野県。農産物では全国に先駆けて県の「原産地呼称管理制度」を立ち上げています。まずは特産のワインと日本酒からと―。

 同制度は、田中氏が知事に再選されて一カ月後の十月二日に創設されました。良品質の農産物およびその加工品を提供することで消費と地域振興を図ることが目的。制度では認定基準をつくり、これに適合したものに「原産地の呼称」を認め、将来のブランド化を目指します。

 長野県は、ワインの出荷高では五位、日本酒では同六位です。とりあえずは無発泡のスティルワインと県産米の自醸純米酒について基準を設定しました。県産100%使用、使用品種の限定など、基準は厳密です。実施は今年度産から。

 田中氏は今知事選で「高品質で安全な農産物を提供すべく、県独自の管理呼称制度を立ち上げ、農事組合法人や個人の生産者とともにブランド化を確立する」と公約しました。日本共産党県委員会も予算要求や議会質問などで農産物ブランド化や安全な食品の表示を要求してきています。

 制度創設についてソムリエ(ワイン選定の専門家)の田崎真也さんは「多くの農産物が輸入されているなかで、日本の農業は価格競争で維持されてゆくのではなく、その土地の個性を付加価値とし存続してゆくことが望ましい」と応援の弁。

 県農政部で担当する企画員の玉井裕司さんも「この制度への期待は大きい。来年度からはソバや野菜、果物への導入も検討中」と語っています。 (長谷川守攻記者)


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp