日本共産党

2002年12月7日(土)「しんぶん赤旗」

触法心神喪失者医療・観察法案

木島議員抗議

委員長が職権で採決


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質問する木島日出夫衆院議員=6日

 重大な犯罪を犯した心神喪失者の処遇を定める触法心神喪失者医療・観察法案の採決が、六日の衆院法務委員会で強行され、与党による一部「修正」のうえ賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 この日、四野党が一致して「審議がつくされていない。質疑終結、採決は時期尚早」と強く主張したにもかかわらず、山本有二法務委員長が職権で質疑終結、採決を宣告しました。

 採決に先立つ討論で日本共産党の木島日出夫議員は、「横暴な委員会運営だ」と厳しく抗議しました。

 木島氏は、触法心神喪失者の処遇問題にかんする日本共産党の「見解と提案」(五月三十日)が、日本の精神医療の貧困な状況を指摘し、「地域ケア」を推進して「司法精神医療」の前進の必要性を明らかにしたことを紹介。

 法案はこれと比べ、逮捕・捜査段階での精神鑑定と治療の充実、地域ケア体制の確立、精神保健・医療・福祉の抜本的な拡充という観点が欠けているかきわめて不十分だ、と指摘しました。

 加えて木島氏は、社会復帰のための「医療・観察」を犯罪者の更生を目的とする保護観察所を中心として行わせることは、「まさに保安処分的発想に基づくものだ」と批判。国民の基本的人権に重大な影響をもたらす制度を新設するにもかかわらず、法案への国民の理解が極めて不十分だとして、現時点での導入は適当ではないと強調しました。


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