日本共産党

2002年11月24日(日)「しんぶん赤旗」

憲法の「地方公共団体」とは?


 〈問い〉 憲法第八章の「地方公共団体」は「地方自治体」と違いはありますか。町内会などの「自治会」はこれらと関係があるでしょうか。 (京都・一読者)

 〈答え〉 戦前の帝国憲法には地方自治や地方政治の規定がなく、法令で定めた府県や市町村は、政府のいわば意思伝達機関として考えられていました。戦後生まれた日本国憲法は初めて地方自治について定めましたが、憲法では地方政治を担う機関を「地方公共団体」と表現しています。そのため、法律用語としては、この言葉が地方自治法をはじめ、各法律の条文で使用されています。「地方自治体」という日常に使われている言葉にほぼ相当するものです。

 都道府県や市町村は自治体として、住民の福祉の増進を図る役割があります。

 なお自治会は、法律によらない、住民の任意な自主的自治組織とされています。町内会などは、戦争中、住民動員のために組織された歴史がありますが、今日では自治会と同じ任意の自治的組織といえます。

 憲法九二条は「地方公共団体の組織及び運営」が「地方自治の本旨」に基づくことを定めています。地方自治の本旨とは▽地方政治は住民みずから決めるという「住民自治」▽住民は国などの圧迫をうけない独立した機関をもつという「団体自治」―を核心とする政治原理です。

 いま、この地方自治をまっこうから踏みにじる自治体合併の押し付けが、自民党政治のもとですすめられています。政府はほんらい住民の自発的合意に基づくべき合併を、強権的な行政指導や「合併特例債」などの財政誘導で迫り、期限も示すなどしてせきたてています。

 これに対して、国からの押し付けに反対し、自分たちのまちづくりは自分たちで考えようという動きが広がるのは、当然です。合併などの是非を住民自身で考える住民投票や、住民参加で村やまちづくりの方向を模索するとりくみなど、「住民が主人公」となる政治の流れの広がりも、注目されます。 

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 〔2002・11・24(日)〕

 


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