日本共産党

2002年11月19日(火)「しんぶん赤旗」

「周辺事態」から「日本有事」想定

日米が各地で統合実動演習


 米軍と自衛隊による日米共同統合実動演習が十一日から二十二日までの予定で、日本各地でおこなわれています。同演習は二年に一度おこなわれるもので、9・11同時多発テロ後初めて。今回も「周辺事態」から「日本有事」に事態が進展するとの想定で、漂流中の米兵を救助する「後方地域捜索救助活動」や非戦闘員の救出訓練、占領された村から敵を排除するという「特殊作戦」訓練などがおこなわれています。

 今回の演習に参加しているのは、日本側から三自衛隊の人員約一万一千人、艦艇約二十隻、航空機約百八十機。米側から陸軍第二五軽歩兵師団(ハワイ)、第七艦隊(横須賀)、第五空軍(横田)、第三海兵遠征軍(沖縄)の人員約一万五百五十人、艦艇約十隻、航空機約百五十機。

 陸上自衛隊は静岡県・東富士演習場で米陸軍と、大分県・日出生台、十文字原両演習場で米海兵隊とそれぞれ訓練をおこなっています。

 十文字原演習場では、自衛隊員六十八人が「『戦闘地域の日出生台と後方の補給施設との間にある十文字原村が敵の特殊部隊五人に占拠された』との想定で、掃討作戦を展開」「二十一人が二班に分かれ、小銃、機関銃の空砲を撃ちながら、建物に近づき、内部に突入し、約三十分間で建物を奪還」(十五日付「大分合同新聞」)するという訓練をおこなっています。日出生台演習場では早朝から実弾砲撃演習がおこなわれています。

 十四日には、神奈川県・厚木基地を混乱する外国に見立て、そこから非戦闘員を救出する訓練をおこなっています。米側は米国人を飛行機で退避地に見立てた山口県・岩国基地まで輸送。日本側は邦人を自衛隊機で日本まで運ぶという想定で、千葉県・館山基地に救出、そこから横須賀基地へ海上輸送しました。


日米共同統合実動演習おもな参加部隊

航空総隊総合演習(わが国およびその周辺)
 日:航空総隊等、航空機約430機
自衛艦隊総合訓練(日本周辺海域)
 日:海上自衛隊 艦艇約20隻、航空機約50機
   ミサイル護衛艦 しまかぜ、こんごう、きりしま、ちょうかい
   護衛艦     いかづち、ゆうぎり、はまぎり、せとぎり
   補給艦     さがみ
 米:海軍 艦艇約10隻
   空母      キティ・ホーク
   ミサイル駆逐艦 ジョン・S・マケイン、カーティス・ウィルバー
   駆逐艦     オブライエン ポール・F・フォスター
   ミサイル・フリゲート艦  ゲアリイ
   原潜      シカゴ、ルイズビル
   給油艦     ラパハノック
   音響測定艦   アサーティブ
米陸軍との実動訓練(東富士演習場)
 日:第1師団第1普通科連隊基幹
   人員約600人
 米:第25軽歩兵師団2−35歩兵大隊(ハワイ)
   人員約500人
米海兵隊との実動演習
 (日出生台・十文字原演習場)
 日:第4師団第41普通科連隊
   人員約850人
 米:第3海兵遠征軍第2−3海兵大隊基幹
   人員約800人

 


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