2002年11月16日(土)「しんぶん赤旗」
【北京15日小寺松雄】中国共産党は十五日、第十六回党大会(八―十四日)選出中央委員の第一回総会(一中総)を開き、胡錦涛国家副主席(59)を党総書記に選ぶとともに、最高指導部である政治局常務委員に胡氏ら九人を決定しました。また今大会で中央委員を退いた江沢民前総書記を、引き続き党軍事委員会主席に選びました。
総書記の交代は、一九八九年の天安門事件後の十三大会四中総で江沢民氏が総書記になって以来十三年ぶり。胡総書記は来春の全国人民代表大会(全人代)で江沢民国家主席の後任となる見込みです。
胡総書記以外の政治局常務委員は、呉邦国副首相(61)、温家宝副首相(60)、賈慶林前北京市書記(62)、曽慶紅前組織部長(63)、黄菊前上海市書記(64)、呉官正党中央規律検査委書記(64)、李長春広東省書記(58)、羅幹国務委員(閣僚)(67)の各氏で、いずれも政治局委員・同候補からの昇格です。
胡総書記は一中総後、八人の新常務委員とともに内外記者団の前に姿を見せ、新委員を一人ずつ紹介したあとあいさつ。「中国のあすは必ず麗しいものとなり、世界の平和と発展に貢献するだろう」と述べました。
また一中総では、常務委員を含む二十四人の政治局委員と同候補一人が選ばれました。新政治局委員には直轄市の北京、上海、天津や湖北省、浙江省、四川省の党書記のほか、党中央の宣伝部長、組織部長、また二人の軍人が含まれています。
軍事委員会副主席には胡錦涛総書記、郭伯雄、曹剛川両政治局委員(ともに人民解放軍)の三氏が就任しました。
胡錦涛(こきんとう)氏の略歴一九四二年十二月生まれ。安徽省績渓出身。清華大学水利工程部卒。在学中の六四年、中国共産党に入党し、政治指導員。六八年から水利電力省に配属され甘粛省で活動。八四年、共産主義青年団第一書記に就任。
八五年、最年少の中国共産党中央委員。同年、貴州省党委書記に転出。八八年、チベット自治区党委書記。九二年、ケ小平氏の後押しで党政治局常務委員。九八年、国家副主席。九九年、中央軍事委副主席に就任。
九八年四月訪日した際の歓迎夕食会で日本共産党の不破哲三委員長(当時)とあいさつ。同年七月、日中両党関係正常化を受けて訪中した日本共産党代表団の不破委員長、志位和夫書記局長と会談しました。学生時代にはクラシックダンスの名手といわれ、家族は清華大の同級生だった劉永清夫人との間に一男一女。
日本共産党の不破哲三議長と志位和夫委員長は十五日、同日開かれた中国共産党中央委員会の総会で同党の総書記に選出された胡錦涛氏にたいし、つぎの祝電を連名で送りました。
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あなたが中国共産党の総書記に選出されたことに心からのお祝いを申し上げます。
わが党は、中国共産党の新しい指導部の皆さんが、中国の発展と世界の平和のための活動で大きな成果をあげられること、また、日中両国間の関係が発展し、日本共産党と中国共産党との友好と協力がいっそう前進することを希望します。