日本共産党

2002年10月31日(木)「しんぶん赤旗」

兵庫・明石

歩道橋圧死、遺族が提訴

「警察・市・警備会社に過失」


 兵庫県明石市大蔵海岸の花火大会(昨年七月二十一日)で、歩道橋上で起きた“群集なだれ”のため十一人が圧死、二百四十七人が負傷した事件で三十日、八遺族十七人が、警察、明石市、警備会社の責任を問い、総額約八億五千万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴しました。

 訴状によると、雑踏警備は警察法や警職法などで警察に課された責務であり、「警備実施要則」や都道府県の「例規」で雑踏事故防止の注意義務が具体的に定められていることを指摘。ところが兵庫県警察本部と明石署は、事故を容易に予測できたのに暴走族対策を優先した警備体制を敷き、当日も危険を知らせる一一〇番通報や救出の訴えにまともに対応しないなど、注意義務違反をくりかえし、大惨事を招いた過失責任を詳しくのべています。

 同時に、花火大会の実質的な主催者でありながら事故防止の必要な措置を取らなかった明石市、警備会社「ニシカン」の過失を指摘しています。

 同事件をめぐっては、五月に明石署、市、警備会社の幹部ら十二人が業務上過失致死傷容疑で書類送検されています。兵庫県警は「雑踏警備は主催者の自主警備が原則」という立場をとっており、明石市は法的責任があいまいな「補償」ですまそうという態度です。

 遺族は、昨年九月に「明石歩道橋犠牲者の会」を結成し、原因究明、責任の明確化、再発防止を求めてきました。

 


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