日本共産党

2002年10月23日(水)「しんぶん赤旗」

元「ふなしん」組合員への不当労働行為

救済申し立て

東京地労委


 金融庁が仕組んだ“信金つぶし”によって破たんに追い込まれた千葉・船橋信用金庫を吸収合併した東京東信用金庫が不当労働行為をおこなっているとして二十二日、東京東信用金庫の労働者が東京都地方労働委員会に救済を申し立てました。

 申し立てたのは、船橋信用金庫で労働組合の委員長をつとめていたため、東京東信用金庫に採用を拒否された貝之瀬信夫さん、降格と賃金切り下げを受けた東京東信用金庫労働組合の植草克己委員長、同労組が加盟する全国信用金庫信用組合労働組合連合会(全信労)の泉康弘委員長ら四人です。

 「ふなしん」を吸収合併した東京東信用金庫は「地域経済を守れ」と運動する全信労加盟の船橋信用金庫労働組合などを敵視。労組の三役五人のうち貝之瀬さんら四人を採用しませんでした(一人は不受験)。

 さらに船橋信用金庫労働組合と東京東信用金庫新労働組合が組織統合して東京東信用金庫労働組合が結成されると、この労組への誹謗(ひぼう)中傷などをおこない、船橋信用金庫から入庫した組合員七十二人全員を組合から脱退させました。同労組の委員長である植草さんにたいし、「主任調査役」の職務を奪い、賃金を切り下げました。

 救済として、これらの不当労働行為をやめるよう求め、謝罪文を手渡し掲示するよう求めています。

 「東京東信用金庫は、店舗も人も引き継いでいくと約束していました。それが百七十人もの人を減らし、店舗も四つなくした。なんとしても採用を勝ち取り、引き続き地域と一体となった仕事を続けていきたい」と貝之瀬さんは語っていました。


地域経済守れと運動

 ことし六月に吸収合併された船橋信用金庫は、「ふなしん」の愛称で親しまれ、地域経済を支えてきました。ところが、「金融検査マニュアル」に基づき信金などの整理統合を強行してきた金融庁の検査により、正常債権以外の債権が膨れあがり、さらに引当金・償却金を積むように求められました。こうして検査終了から一週間後に債務超過となり、破たんさせられました。

 船橋信用金庫労働組合は、“信金つぶし”は、地域経済を根底から破壊するものと批判。債務者や出資金の保護、全店舗の存続などを求めて運動してきました。地元の労組や民商の呼びかけで結成された「地域経済を守れ! ふなしん対策連絡会」と協力し、地元の声を集めていきました。事業譲渡を受ける側だった東京東信用金庫の東京東信用金庫新労働組合とも共同行動をすすめてきました。

 


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