日本共産党

2002年10月20日(日)「しんぶん赤旗」

新日本婦人の会創立40周年のつどい

女性が美しく輝く世紀に

不破議長が講演


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講演する不破議長=19日、千葉・東京ベイNKホール

 日本共産党の不破哲三議長は十九日、新日本婦人の会創立四十周年を記念し千葉県内で開かれた「輝け憲法!はばたけ新婦人」のつどいで、「女性が美しく輝く世紀に」と題し、講演しました。

 不破氏は冒頭、「この会場にあふれている熱気は、演題とした『女性が美しく輝く』姿そのものだ」と述べたあと、「そのみなさんに何を話したらいいか。歴史のなかで現在をとらえ、将来を展望する――このことをみなさんと一緒に考えたい」と切り出しました。

 女性問題を「科学の目」で最初にとらえた人物として、エンゲルスをあげた不破氏は、その著書『家族、私有財産及び国家の起源』を最初に読んだときから、深い印象となったこととして、(1)人間は社会の最初の段階では女性差別を知らなかったが、共同体社会の最後の時期に「女性の世界史的な敗北」が起こったこと、(2)女性解放の今後の課題として、法律上の平等だけでなく、社会生活上の実質的な平等が重大で、社会的平等の実現には、資本主義から社会主義への前進が必要であること、の二点をあげました。

 その上で不破氏は、それから百二十年たったいま、とくにこの日本でこの問題を考えるには、大先輩のこの見解を二つの点で発展的に見直す必要がある、と指摘します。

 第一点は、日本では、女性が簡単には「敗北」しなかったという問題です。卑弥呼、紫式部、北条政子の三人の女性をとりあげて歴史をふりかえり、日本で女性ががんじがらめの無権利状態におちいったのは、南北朝内乱のあった十四世紀以後とみられていることを解明したあと、その結びとして述べた次の言葉は、会場の大きな拍手を呼びました。「日本の女性のDNA(遺伝子)には、世界史の流れに抗して、女性の自立と尊厳をまもってきた歴史が脈々と刻みこまれています」

 第二点は、女性の権利確立の運動の到達点です。二十世紀の重要な成果として「女性差別撤廃条約」(一九七九年)をあげた不破氏は、「世界の大部分がまだ資本主義の段階にあるのに、社会的な平等が世界的な課題となった」点に注目すべきだと、強調しました。

 こういう世界的な前進のなかで、日本のおくれは重大です。不破氏は、一連の国際的な委員会から、この問題できびしい懸念や勧告が寄せられていることを紹介。「『ルールなき資本主義』は、女性の差別と平等の分野でもまぎれもない現実となっている」として、日本社会の男女共同の課題としてこの現状打破に取り組む必要があることを訴えました。

 続いて、戦後の日本の女性の活動、その先頭にたつ新日本婦人の会の四十年をふりかえった不破氏は、最後に、「どんな社会的変革も女性の力の働きなしには起こりえない」というマルクスの言葉を引きました。「この言葉はマルクスの時代以上に、二十一世紀の世界と日本にあてはまる」「マルクスが『美しき性』と呼んだ女性のみなさんが、女性の平等と尊厳をめざす運動を大きく前進させるとともに、よりよき社会を生み出す社会進歩の運動にも大きな貢献を果たされることを願っています」という不破氏の訴えに、会場から大きな拍手が寄せられました。


「平和」「勉強わかる学校」

全国から多彩な願い

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願いのタペストリーを掲げて交歓する「新婦人創立40周年のつどい」参加者=19日、千葉・東京ベイNKホール

 千葉県内で十九日に開かれた新日本婦人の会創立四十周年を記念するつどい。会場に揺れるとりどりの布や旗。全国の班から持ち寄られた五千八百四十に及ぶ要求タペストリーです。「今こそ平和を」「医療改悪反対」「勉強がわかる楽しく安全な学校を」――多彩な願いが集まりました。

 第三部「主人公はわたしたち―全国からの発信」では、ハンセン病国家賠償訴訟群馬原告団の一人で、新婦人石楠花(しゃくなげ)班の班長の浅井あいさんが、差別とのたたかいや、故郷石川県に帰ったときのことを話しました。「『新婦人しんぶん』配りは今年で三十四年。八十四歳ですが、まだまだできます。創立四十周年、ともに祝いましょう」と語り、万雷の拍手を受けました。

 田中康夫知事の再選を実現させた長野県からの参加者は、「選挙は要求実現のチャンス。それをつくるのは私たち」と発言。茨城からは、地場産の食材で給食を実現した経験が報告されました。大阪の参加者は、サービス残業を見直させた取り組みを紹介。「夕食のだんらんが持てるようになった」と元気に報告しました。

 「胸がいっぱい。今日は本当に楽しかった」と、涙を浮かべた秋田市の小林陽子さん(70)は、結成当初からの会員です。「社会の動きを素早く察知して、運動をつくっていけるのが新婦人のいいところ。体が続く限り、がんばりたいと思います」

 


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