日本共産党

2002年10月19日(土)「しんぶん赤旗」

主張

臨時国会開幕

小泉首相に国民は見えぬのか


 国会が開幕し、小泉首相の所信表明演説を聞きました。

 小泉首相に、仕事を失った労働者や、医療費の値上げに苦しむ高齢者の悲痛な声は聞こえないのか、姿は見えないのか。驚きにとどまらず、怒りを覚えます。小泉「改革」の暴走は絶対に許すことができません。

くらし問題を第一に

 七月末に通常国会が閉幕してから二カ月半あまり。今度の国会は、毎年決まって開かれる通常国会ではなく、必要なときに開かれる臨時国会です。わざわざ臨時に開くなら、それにふさわしいものにすべきです。

 国民にとっていま最大の問題は、深刻な不況をどう打開するのか、国民のくらしをどう守るかです。日本共産党の志位和夫委員長は国会開会にあたっての議員団総会であいさつし、国民のくらしを守る「四つの緊急要求」を対置し、経済政策の転換を求めていくことを言明しました。

 ところが小泉首相はどうか。臨時国会召集は「金融をはじめとする諸課題に対処するため」といいながら、「総合的な経済対策」なるものは国会開会に間に合わず、不良債権処理は「加速」するとか、社会保障、農業、教育を「改革」するとか、国民の不安をあおることばかりです。

 いったい首相には大銀行や大企業のことしか眼中にないのか。雇用問題や中小企業の経営が取り上げられたのはあくまでも不良債権処理に伴う「セーフティーネット」(安全網)としてでしかありません。

 国民がいまの経済に不安を抱くのは、収入や売り上げが減り、失業が増えているだけではありません。なによりいまの政治が、国民のくらしを支えるべき社会保障を改悪して国民を苦しめたり、不良債権処理といって中小企業をつぶすなど、悪の限りをつくしているからです。

 そうした政治を改めず、ことばだけで「経済の再生」や「自信と希望」を説いても国民には白々しく響くばかりです。破たんした政治を改めないことこそ、暴走です。

 今度の国会でのもう一つの大問題である、平和の問題でもそうです。イラクに対するアメリカの軍事攻撃が国際社会の大問題になるなかで、小泉首相は、ブッシュ大統領に「国際協調」が重要であることを伝えたというだけでした。

 問題は中身です。戦争を防ぐ「国際協調」か、戦争協力の「国際協調」か。アメリカの無法な戦争に協力しないとの立場に立つことをはっきり表明しない首相の所信表明演説は、この点でも平和を求める声にこたえる姿勢を欠落させています。

 こうしたなかで、小泉首相が前国会で成立させることができなかった戦争協力の有事法案と個人情報「保護」法案をもちだし、「優先的に取り組み、成立を期す」とのべたのはきわめて重大です。

 有事法案などが成立させられなかったのは国民の反対によるものです。それをまた性懲りもなく成立させようとは。やるべきことをやらず、やるべきでないことをやる小泉首相の態度は、国民にとって最悪というほかありません。

国民の声大きく上げて

 日本共産党の志位委員長はあいさつのなかで、激動の情勢のなかで浮き彫りになっている日本共産党の真価を発揮した論戦で、二十一世紀の政治を担いうる党はどの党かを証明したいとのべました。

 国民の中からも、小泉政治の暴走を許さない声を大きく上げ、新しい政治を切り開いていこうではありませんか。

 


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