日本共産党

2002年10月12日(土)「しんぶん赤旗」

米議会がイラク攻撃容認

大統領に権限付与決議

下院では反対3割近くに


 【ワシントン11日遠藤誠二】米議会は下院が十日、上院が十一日未明、イラクに対する軍事力行使権限をブッシュ大統領に与える決議を可決しました。これによりブッシュ政権は、国連安保理での対イラク強硬決議案の採択を追求しながら、戦争推進にむけた動きを強めるものとみられます。

 決議は、国連安保理を通じた外交努力支持も盛り込んでいるものの、「継続するイラクの脅威から米国の安全保障を守り、すべての安保理決議を履行させるため、大統領が必要かつ適切と判断するなら、軍事力行使の権限を大統領に与える」との内容で、イラク侵攻を推進できるものとなっています。

 大統領に事前か軍事行使後四十八時間以内の議会への通告や、決議をめぐる問題の議会への六十日ごとの報告を求めています。

 対イラク戦争の議会決議は、イラクによるクウェート侵攻後の元ブッシュ大統領時代以来十一年ぶり。下院本会議では、賛成二九六、反対一三三。民主党の百二十六議員が反対にまわりました。

 決議採択に先立って、民主党のバーバラ・リー議員が、国連での外交努力や査察を通じたイラクの大量破壊兵器開発阻止を内容とする修正案を提出。同修正案は賛成七二、反対三五五で否決されました。同議員は演説で、米国はいま、二十一世紀の国際関係の枠組み構築で、「単独主義と不安定な安全保障」か「多国間協力と安定した安全保障」かのどちらを選択するかを議論していると発言し、米単独でのイラク攻撃までも認める決議の採択に警鐘をならしました。

 十一日午前一時すぎにおこなわれた上院本会議の採決は、賛成七七、反対二三でした。

 十日午後、下院での決議採択後、ブッシュ大統領はホワイトハウスで演説し、「決議は、イラク政権にたいし、武器放棄と国連決議の履行もしくは強制的に履行させるという明確なメッセージを送ったことになった。他に選択肢はなく、交渉の余地はない」と語りました。

 


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