日本共産党

2002年9月29日(日)「しんぶん赤旗」

川辺川ダム地元業者

金子衆院議員に迂回献金か

山崎拓自民幹事長経由で1000万円

熊本 26社が関連工事受注


 熊本県で計画されている川辺川ダム事業の関連業者などが二〇〇〇年、山崎拓自民党幹事長が代表を務める同党福岡県第二選挙区支部に計約一千万円を献金し、ほぼ全額が山崎氏の政治資金管理団体を通じて、ダム計画の地元である熊本五区の自民党・金子恭之衆院議員(山崎派)に流れていたことが二十八日までに分かりました。金子氏は当時、無所属で、政治資金規正法では企業献金を受け取れないため、山崎氏を経由した「迂回(うかい)献金」の疑いがあります。


 本紙の調べでは、〇一年にも、山崎幹事長の選挙区支部・資金管理団体から金子議員の資金管理団体へと、前年とほぼ同額の千百二十万円が同じパターンで流れており、「迂回回献金」が繰り返された疑いもあります。

 党支部や山崎、金子両氏の資金管理団体の政治資金収支報告書(二〇〇〇年分)によると、二〇〇〇年十月から十二月までに熊本県八代市や人吉市の建設業者など計三十六社から党支部へ一社あたり十二万円から四十八万円、計千四十四万円が献金されていました。その後、支部から山崎氏の資金管理団体「拓政会」へ三回にわたって計千二十万円が寄付され、それぞれ同じ日のうちに同額が拓政会から金子氏の資金管理団体「恭友会」に寄付されていました。(図参照)

 三十六社のうち、二十六社が国土交通省のダム工事、農水省の利水工事など川辺川関連工事を受注しています。

 党支部に献金したある業者は、「山崎氏に対し、金子氏を一人前にしてほしいという思いから献金した」と話し、金子氏向けの献金だったことを示唆しています。

 〇一年分については、自民党福岡県第二選挙区支部の収支報告書が公表されていないため、川辺川ダム関連業者からの献金かどうかは確認できませんが、選挙区支部から「拓政会」を通して金子氏の資金管理団体へというカネの流れが計五回あり前年と酷似しています。

 金子氏は、二〇〇〇年六月の総選挙で自民党現職を破って初当選。〇一年十二月に自民党熊本県第五選挙区支部の支部長に就任するまで企業献金を受けられませんでした。

 金子事務所は拓政会からの寄付について「好意による寄付。山崎氏への企業献金とは一切関係ない」とし、「ダム推進の立場だが、工事受注に便宜を図ったことはない」と説明。山崎事務所は、「報告書で公表している通りだ。山崎への寄付とは別問題だ。法的にも問題はない。〇一年分の企業献金については公表前に話さない」としています。

 


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