日本共産党

2002年9月27日(金)「しんぶん赤旗」

北京の五日間(11)

中央委員会議長 不破哲三

27日 日本での党建設を聞きたい(中)


「支部が主役」の活動とは

 私は、報告を続けた。

 (三)党の組織活動では、全国二万五千の支部が、日本共産党と国民との結びつきのなによりの土台をになっていること、国会論戦や政策活動は非常に大きな力になるが、身近なところで国民各層に働きかける支部の活動なしには、しっかりした国民の支持はえられないこと、その意味で、「支部が主役」が私たちの合言葉であり、党機関の活動でも、上から「さあやれ」というだけでなく、支部の意見をくみ上げる「循環型」の活動を強調していること、などを説明した。

 また、私たちが大事な問題を国民に訴えようとするとき、全国四千八百万のすべての世帯に「赤旗」号外をとどける活動をするが、これは「支部が主役」の力を発揮するからこそできる活動であること、国会の議席数ではまだ第四党の日本共産党が、地方議員の数は四千四百人、抜群の第一党となっているのも、すべての市町村に党支部や党員がいて活動しているその力の現れであることなども話した。

 中国の党の組織活動にあたっている人たちだけに、「支部が主役」という話は、大きな関心を引いたようだった。私たちは、支部が国民のなかで本当に“草の根”の力として働けるように、支部会議の定期化、支部党員の日常の結びつき、「しんぶん赤旗」の配達・集金の体制づくりなど、どこでも苦労しながら力をつくしているが、こうして外国の党に説明してみると、そういう努力の値打ちがいっそうはっきりしてくるように感じられる。

 (四)日本では選挙戦が政治闘争の中心になっており、これらの選挙戦で力を発揮できる党機関、党支部をつくることは、党建設の重要な柱になること。

 (五)日本の政治はヨーロッパと違って、反共攻撃との闘争がきわだった位置をしめること。

 反共攻撃では、ソ連の諸事件や中国の「文革」など、私たちと関係のない国際的な出来事も最大限に使われてきたことも話した。

 (六)日本共産党は、企業・団体の政治献金を受け取らず、国民の税金を不当に分け取りする政党助成金の受け取りも拒否し、国民の支持に依拠した自立した財政的基盤の確立に努力していること。党のその清潔さが、国民のあいだに信頼を広げる大きな力となっていること。

 中国側のみなさんは、実に熱心にこれらの話に耳をかたむけ、メモをとっている。「日本共産党の党活動をよく知りたい」という気持ちが、その姿にまざまざと現れていた。

入党の基準、宗教者との共同など

 最後に、私は、いま中国で企業家の入党問題が議論され、李さんの報告でもそのことに触れられたことを考えて、新しい党規約で、この問題をどう位置づけているかを、解説した。規約が、一連の革新的な目標および「日本の進歩的未来のために努力しようとするすべての人びとにその門戸」を開くとしているが、これは、入党の条件を、階級的区分ではなく、政治的信条におく立場だということを、かなり詳しく説明した。

 関連して、宗教者の入党の問題について、ここでも政治的信条が入党の基準であることを話し、最近大きく広がっている共産党と宗教者との「現世での共同」の状況についても紹介。私自身、京都で仏教の宗派の本山にあたるところで、仏教、キリスト教など各派の宗教者との懇談会を、二年にわたって開いてきた経験も語った。

 なかでも、頭を丸めた若い住職が代議員として党大会に出席、仏教の教えと共産党の活動が一致すると発言して、諸外国の代表たちからも注目を集めたこと、京都での宗教者の会で、どうも頭の形に見覚えのある坊さんが目の前の席にいると思ったら、やはりそのご当人だったこと、その坊さんがその席で発言にたって、宗教者党員としての信条を語るとともに、「志ある方はどうか同じ道をあゆんでほしい」と先輩の宗教者の方々に堂々と訴えたことなどを話すと、日本で現実に展開されている生きた経験は、参加者のあいだに大きな興味を引いたように見えた。

「私も、日本に行って、配達活動に参加してみたい」

 李景田(りけいでん)副部長は、「人民との結びつきの強化」という点を、私の発言からいちばん大事なこととして受け取ったようで、そのことに触れたうえで、「貴党の『赤旗』が二百万も出ているというのは、驚くべきことだ。これは、大きな可能性ではないか」と述べた。

 あとで聞いたことだが、この会合に出席していた中連部の若い一員は、私の発言を聞いて、「私も日本に行って、『赤旗』の配達に参加してみたい」と、感想をもらしていたという。

(つづく)

 


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