2002年9月26日(木)「しんぶん赤旗」
日本原子力発電は二十五日、福井県敦賀市にある敦賀原発1号機(沸騰水型、出力三十五万七千キロワット)の炉心隔壁(シュラウド)に多数のひび割れが見つかっていたのに国や県に報告しないまま、交換していたことを明らかにしました。原子炉機器の損傷隠しは、東京電力、中部電力、東北電力、日本原電と業界四社に拡大しました。
発表によると、ひび割れが最初に見つかったのは一九九四年の定期検査時。ゼネラル・エレクトリック・インターナショナル(GEII)社が実施した炉内検査で、シュラウドの溶接部付近に計五十三カ所のひび割れが見つかりました。これらのひび割れの最大長さは四十七・二センチ、最大深さは十二・三ミリありました。
九五年、九六年、九八年の定期検査時にも最大長さ四十三センチ、最大深さ十九ミリに達する多数のひび割れが見つかりましたが、日本原電は、安全評価でいずれも問題なしと判断したとして、国や県に報告せず、運転を継続しました。
多数のひび割れが見つかったシュラウドは九九年〜二〇〇一年の定期検査時に交換されました。
原子力発電所の建設、運転、電気の供給などを目的に一九五七年設立された株式会社(本店、東京都千代田区)。現在、東海第二原発(茨城県東海村)、敦賀原発1、2号機(福井県敦賀市)を所有しています。株主は北海道から九州までの九電力会社などで、役員にも各電力会社や原発関連企業の幹部が名を連ねています。