2002年9月24日(火)「しんぶん赤旗」
【ベルリン22日坂本秀典】ドイツの連邦議会選挙の投開票が二十二日行われ、連立与党(社会民主党と90年連合・緑の党で構成)が辛勝し、政権を維持する見通しとなりました。
開票結果は、社会民主党(SPD)が得票率38・5%(二百五十一議席)、保守野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)38・5%(二百四十八議席)、連立与党の90年連合・緑の党8・6%(五十五議席)、保守の自由民主党(FDP)7・4%(四十七議席)です。苦戦ながらも連立与党が勝利したことで、十五日のスウェーデンの選挙と並び、欧州でこのところ続いてきた保守の進出傾向に歯止めをかけました。
しかし左翼の民主的社会主義党(PDS)は、小選挙区で二議席を確保したものの、比例区で4%と議席獲得に必要な「5%以上」の条件を下回りました。
シュレーダー首相(SPD党首)は選挙の大勢が決まった二十二日夜、党本部で記者会見し、「緑の党と連立する作業を始めたい」と述べました。緑の党は前回比で2・1ポイント伸ばす躍進。フィッシャー筆頭候補は「困難な情勢だが、SPDと連立し、共同して活動したい」と語りました。
一方、CDU・CSUの首相候補シュトイバー氏(バイエルン州首相)は敗北を認めながらも、「シュレーダー連立政権が継続するとしても、早晩外交問題で破たんするだろう」と語りました。
PDSは、全国規模だけでなく地盤の旧東独地域でも前回より4・3ポイント後退して17・3%となりました。同党のギジ前ベルリン副市長は東独地域での後退について、「党が精神面でも文化面でも地域の代表となるうえで不十分さがあったと考える」と語りました。