日本共産党

2002年9月16日(月)「しんぶん赤旗」

揚げパンで中毒 中国・南京死者数十人


 【北京15日鎌塚由美】中国江蘇省の南京市で十四日朝、飲食チェーン店で「油条」(揚げパン)などを食べた客が次々とその場に倒れ、救急車で病院に運ばれた事件は、同市当局が店の営業を停止、店長を逮捕し、原因の究明に乗り出していますが、事件の詳細はまだ明らかにされていません。

 十五日の新華社電によると被害者数は二百人以上に上りますが、死者の数は「多く」と言うだけで分かりません。新華社は昨夜、すでに四百人が被害にあい、四十一人の死者が出ているとインターネット上で報じましたがその後、訂正しました。一部外国メディアは死者が百人を上回る可能性を報じています。

 十五日夜の中国中央テレビは、事件を報道しましたが、中国共産党中央や国務院(内閣)が警察と衛生担当者を当地に派遣し、事件の解明と被害者の救済に全力で取り組む構えを強調するものでした。

毒物混入の疑いも

 【北京15日時事】中国江蘇省の南京市で多数の死亡者を出した食中毒事件で、事態を重視した中央政府は公安省、衛生省の調査チームを派遣、十五日から本格的な現地調査を始めました。被害者が二百人以上に及び、症状が急激だったことから毒物混入の疑いもあるとみて、原因究明を急いでいます。南京では十四日朝の事件発生後、現地対策本部が設けられ、羅志軍市長が陣頭指揮に当たりました。学生や建設労働者ら被害者は解放軍病院など医療機関十カ所に分散収容され、解毒措置を受けています。死者は約四十人に上ると伝えられますが、当局は公式確認を避けています。

 食中毒を起こした飲食店は直ちに閉鎖され、警察当局が調査中。北京から衛生省のほか公安省のチームが派遣されたのは、何者かが無差別殺傷を狙って食べ物に毒物を混入した疑いもあるためです。中国政府は昨年の米同時テロ事件後、毒物使用に対する刑事処罰を強化するなど、社会安定を損なう行為に警戒を強めています。

 


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