日本共産党

2002年9月4日(水)「しんぶん赤旗」

高齢者大会おわる

びっくり仰天のパワーですね 分科会の助言者

帰ったら、さっそく運動 参加者


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憲法・有事法制・戦争・平和について意見を交わした分科会参加者=3日、東京・工学院大学

 東京都内で開かれていた第十六回日本高齢者大会は三日、朝から六つの学習講座と二十二の分科会、移動分科会などを開き、二日間の日程を終了しました。各会場ともいっぱいで、参加者は四千人を超えました。大会終了後、国会議員への要請を行いました。

憲法・有事法制…

 工学院大学で行われた「憲法・有事法制・戦争・平和」をテーマにした分科会は、開会前に百八十席の教室が埋まって満杯。途中で折りたたみイスを持ち込んだり、後ろに座り込んで聞く人など二百人であふれました。

 助言者を務めた明治学院大学の浅井基文教授が、有事法制をめぐる情勢と、有事法制の内容をわかりやすく講演。「廃案に追い込むには、人民パワーがさく裂する状況を作り出すかどうかが大きな要素だ。そのためには、有事法案の侵略性、国民の権利、義務をむちゃくちゃにする危険な内容を分かりやすく一人でも多く伝えること」と強調しました。

 講演後に質問や発言を求めると、参加者はわれもわれもと挙手。「インターネットで若者に廃案を発信している」(埼玉・蕨市)、「一軒ずつ訪問して日本共産党のパンフを百部普及した。知事選で中断したが、さらに百部普及する」(長野市)などの発言に「すごい」という共感の声や拍手がわきました。

 「浅井先生、アメリカはなぜ好戦的なのですか」「原水爆禁止世界大会で若者から『私たち青年を政治に無関心にしたのはここにいる高齢者だ。歴史も教えてもらっていない』と批判されてショックだった」…。次つぎに思いを語る参加者たち。会場いっぱいに響く大きな声で「戦争の生き残りとして、何としても廃案だ」という人もいました。

 浅井氏は「高齢者大会への参加は初めてです。やあ、びっくり仰天。どこからこれほどのパワーが爆発するのかな」と語っていました。

 参加者は総意として(1)地域で勉強会の開催(2)国会や地方議会への請願、意見書などを求める(3)自治体首長に態度表明を迫る―の三つの運動を申し合わせました。

生命守る医療制度

 国民に一兆五千億円もの負担増を押しつける医療大改悪が、先の国会で与党三党によって強行されました。「生命を守る医療制度とは」の分科会には約八十人が参加。「大改悪を押しとどめよう」との熱い思いに包まれました。

 「国民から医療を受ける権利を奪う冷酷きわまりない医療改悪を許すわけにはいかない」と切り出した助言者の西岡幸泰さん(専修大学名誉教授)は、国民的な運動が、国民皆保険制度を作り、充実させてきたと紹介。「医療だけでなく、年金や福祉など、高齢者の生きる権利がどうなっているか、大きな流れでとらえることが大事」と指摘し、「政府の医療改悪の計画は多様化、日常化している。私たちの運動も、多様化、日常化させよう」と強調しました。

 討論では、医療改悪問題をはじめ、公立病院の統廃合に反対する運動や、医療ミス問題、国保証取り上げなどをめぐって、活発な意見が相次ぎました。

実態を行政へ

 徳島市の女性(79)は、「夫は一昨年から病気で、薬だけで二週間八千六百円もかかる。これ以上医療費が上がったら、二人でどうやって生きていけばいいのか不安でならない」と参加しました。「貧しくても、せめて病気のときは、お金の心配をせずに病院にかかりたいというのが、お年寄りのささやかな願い。これを実現するためには、やっぱり今度の医療改悪を押しとどめなければいけないと痛感しました。帰ったら、さっそく運動を広げたい」と語りました。

 神奈川県の生活と健康を守る会で活動する男性は、「横浜市では、国保料滞納が増え、資格証の発行が二万五千件にものぼっている。生の実態を行政に届け、自治体と一緒に解決策を考えていくことも大事ではないか」と提起しました。

地域ぐるみで

 新潟医療生協木戸病院で看護師長をしている牧野美佐子さん(50)は、新潟市内の特別養護老人ホームで三年待ち、老人保健施設で一〜二年待ちであると紹介。

 「厚生労働省はお年寄りを三カ月で病院から追い出せというが、在宅では十分な介護を受けられず、病気の高齢者はどこに行ったらいいのか。私たちも労働組合などで運動しているが、患者さんや地域の人たちと手を結ばなければ、小泉流社会保障改悪を変えることはできない。医療従事者も患者も一緒になった地域ぐるみの運動を」と訴え、大きな拍手を浴びました。

 


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