日本共産党

2002年8月29日(木)「しんぶん赤旗」

不破議長、江沢民総書記と首脳会談

イラクへの軍事攻撃反対、核兵器全面禁止で一致


 【北京28日庄子正二郎】日本共産党の不破哲三議長は、二十八日午後、江沢民中国共産党総書記・国家主席と会談し、北東アジア―日本と中国、朝鮮半島で平和的な関係を築いていく問題や、世界情勢の問題点などについて話し合い、そのなかで、アメリカによるイラクへの軍事攻撃に反対する、二十一世紀の世界で国連憲章の順守を重視する、核兵器の先制不使用、核兵器全面禁止を課題とするという立場を、一致して表明しました。


不破議長 記者会見で説明

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江沢民中国共産党中央総書記・国家主席(右)と握手をする不破哲三議長(左)=28日、北京市・中南海瀛台

 不破議長は、同日夜、北京市内のホテルで記者会見をおこない、首脳会談の内容について説明しました。その要点は次の通りです。

 今回の訪中では、事前に中国側から両国・両党関係や国際・地域情勢など十二項目(別項)にわたる広範な問題が提起されていましたが、一連の会談と意見交換(全体で十四時間にわたった)でほぼ全項目にわたる話し合いができました。

 江沢民総書記との首脳会談では、四年間の両党関係の発展、日中友好のための努力の重要性を確認したあと、まず北東アジアの問題について、日本と中国、朝鮮半島の間に平和的な関係を安定的にきずいていくことが重大な課題だと提起しました。これにたいし江沢民総書記は、その方向に賛成するとともに南北朝鮮問題にたいする中国の態度について、南北関係の平和的解決に有益なものにはすべて賛成するということで一貫していると答えました。

 また国際情勢の問題について、アメリカによるイラクへの軍事攻撃によって、武力行使を「自衛」の場合だけに限定した国連憲章の条項が破られようとしていること、しかもアメリカは最近の「国防報告」では、同じ論理で、将来の中国に対する攻撃の可能性にも言及していることをあげ、アメリカのイラク攻撃を許さないことは、国際的な平和秩序を守る緊急の課題だと提起しました。加えてこの攻撃が核兵器による先制攻撃の可能性をも含んでおり、核兵器全面禁止の課題が、特別に重要な問題となっていることを強調しました。

 江沢民総書記は、これらの問題での中国の態度と政策を説明するなかで、国連憲章の順守は安全保障理事会常任理事国の一員である中国がもっとも重視している課題であること、イラク攻撃は国連憲章を無視するものであり、中国は明確に反対の態度をとること、核兵器の問題でも、核兵器の先制不使用、核兵器全面禁止が中国の一貫した立場であることを言明しました。

 記者会見のなかで、不破議長は、「これらの点で明確な一致が表明されたことは、首脳会談の重要な点だった」とのべました。

 不破議長と江沢民総書記との首脳会談には、日本共産党から筆坂秀世書記局長代行・参院議員、緒方靖夫国際局長・参院議員、庄子正二郎赤旗編集局次長、林信誠国際局員が、中国側から戴秉国中国共産党中央対外連絡部(中連部)部長、王家瑞同副部長、裘援平同副秘書長、劉洪才同副秘書長、李軍同アジア二局長代理、孫京国同儀典局副局長が同席しました。


12 項 目

 (1)両党関係及び両国関係(2)国際及び地域情勢(主に北東アジア)について現状と見通し(3)国際共産主義運動の現状と見通し(4)現代資本主義と経済グローバル化(5)日本の政治、経済情勢(6)両国関係を発展させることについて(7)アメリカの国際戦略調整について(8)ソ連・東欧崩壊の教訓とその影響(9)日本共産党の党建設の現状と経験(10)社会主義の現状と見通し(11)西ヨーロッパと日本の政治的右翼化について(12)主要資本主義国における社会主義運動について

 


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