日本共産党

2002年8月22日(木)「しんぶん赤旗」

医師会との関係修復自民党幹部が試みるが


 自民党の野中広務、古賀誠の両幹事長経験者、青木幹雄参院幹事長らが今月二十七日夜、日本医師会、京都府、福岡県両医師会の首脳陣と会合を予定しています。自民党の実力者が、医療法改悪でこじれた医師会との関係修復に乗り出したことが永田町で話題です。

 〇…日本医師会は、サラリーマン本人負担三割の導入、高齢者自己負担引き上げを柱とする医療法改悪にたいし五百万人の反対署名を集めるなど、歯科医師会などと連携して反対闘争を展開。自民党とトップ交渉なども重ねましたが、与党の強行採決で結果は「ゼロ回答」。医師会内に自民党支援を見直す機運が広がりました。

 事態を重く見た坪井栄孝日本医師会会長と自民党の麻生太郎政調会長は七月三十一日に「今後の医療改革については、関係諸団体との緊密な意見交換」を約束する「確認書」を取り交わし、収拾をはかりました。しかし小泉首相が橋本内閣の厚相当時に決まった「平成十二年度からの医療制度の抜本改革」という約束が反古(ほご)にされたうえ、今回は診療報酬の大幅引き下げ。地域の医師会レベルからの自民党への離反や、医師会の政治団体である日本医師連盟から脱会する動きも収まりそうにありません。

 〇…日本医師会は自民党の政治資金、選挙のさいの集票で金融、ゼネコンと並ぶ“御三家”。日本医師連盟は、二〇〇〇年政治資金収支報告によると会員から政治資金約十七億円を集め、自民党本部へ三億三千二百万円のほか小泉首相に七百万円など自民党の厚生・医療関係議員へ数百万円単位で献金しています。

 今回の医師会トップとの会合は、十月末の衆参六補選や次期総選挙や来春のいっせい地方選をにらんだ自民党基盤の立て直し、と同時に野中―古賀ラインが党内権力を固める動きの一つと自民党内ではみられています。

 ただ、「踏みつけ踏みつけられ、なだめなだめられ、なおカネと票を出しつづける自民党と医師会の関係が永遠に続くとは思えない」(自民党厚生関係議員)という辛口の声も聞かれます。

 


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