日本共産党

2002年8月14日(水)「しんぶん赤旗」

10年前のリオ地球サミットとは?


 〈問い〉 環境問題で、「リオからの十年」などと話題になる、十年前のリオの地球サミットはどんな会議だったのですか。(群馬・一読者)

 〈答え〉 一九七二年にストックホルムで開かれた国連人間環境会議は、環境問題の重要性や共通の原則を確認しましたが、その後の世界は、オゾン層破壊や温暖化、熱帯雨林消失や酸性雨による森林破壊など、かつてない速度で環境破壊が進みました。

 一九九二年の六月にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(UNCED、通称・地球サミット)は、ストックホルム会議後のとりくみの遅れを打開し、危機への具体的対策を確立することをめざしたものです。約百八十カ国の代表、国際機関やNGOなど二万人以上が参加し、行動原則や行動計画が採択されました。

 この会議では、環境保全と経済発展を統一する「持続可能な発展」をどう実現するかが論議の中心となりました。会議は▽持続可能な発展のための行動の基本原則を確認した「環境と開発に関するリオ宣言」▽森林の多様な機能維持や、持続可能な森林経営などを確認した「森林保全原則」▽諸原則を実施するための百十五の行動計画からなる「アジェンダ21」―を採択しました。また会議期間中、気候変動枠組み条約と生物多様性条約への各国政府の署名が進み、条約発効に寄与しました。

 リオ会議後の十年間には、温暖化ガス削減の具体的目標を定めた一九九七年の京都議定書をはじめ、環境問題での運動と諸条約の締結が進みました。

 同時に、生物多様性条約に署名せず、京都議定書からの離脱も表明したアメリカや、これに迎合的な日本政府など、とりくみの前進をはばむ逆流も目立ってきています。

 今年八月二十六日から南アフリカで開かれる、持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)は、「リオからの十年」の成果と未達成課題を検証し、今後の取り組み強化を図ります。

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 〔2002・8・14(水)〕

 


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