2002年8月14日(水)「しんぶん赤旗」
米軍は十二日、ヨルダン南部の砂漠地帯でヨルダン軍との合同軍事演習を始める一方、中東向けの軍備・燃料輸送のため民間艦船をチャーターする動きも伝えられます。一方的な対イラク攻撃を構える米軍の動きが急になっています。
ヨルダン軍との合同演習では、米海兵隊部隊が紅海のアカバから二艦船に乗船し上陸演習を繰り広げました。合同演習は、南部の砂漠地帯で二週間にわたって行われます。
ヨルダンはブッシュ政権の“対テロ戦争”を一貫して支持し、米中東政策への批判を控えてきました。米軍、ヨルダン軍ともに、“今回の演習は例年のものでイラク攻撃と関係ない”としていますが、米メディアは、米軍は対イラク戦争ではヨルダンを攻撃基地にするとの見方を伝えています。
一方、十二日のロイター通信によると、米軍は米本土から紅海の二カ所の港への軍用ヘリ、弾薬を輸送するためチャーター艦船を探しています。米軍は先週、デンマークの海運会社と契約し、弾薬、戦車を輸送できる八隻の輸送船を確保しました。ロイター通信は、こうした動きについて対イラク戦に向け軍事物資の輸送を始めたと軍事専門家がみていることを紹介。米国内ではさらに大量の物資輸送をおこなう準備があると指摘しています。