日本共産党

2002年8月1日(木)「しんぶん赤旗」

政管健保 国庫負担を元に戻す約束は?


 〈問い〉 政管健保には赤字のときは国庫負担を元に戻すとの政府の約束があったそうですが、どうなったのですか。(愛媛・一読者)

 〈答え〉 中小企業の労働者らが加入している政府管掌健康保険(政管健保)は、一九九二年に国庫負担が16・4%から13%に、はじめて引き下げられました。そのさい、政府は、保険財政が悪化したらもとに戻すと約束していました。

 一九八四年の医療費本人一割負担導入など、国民への負担押し付け政策で政管健保財政の黒字が続いた結果、九二年には積み立てが一兆四千億円に達していました。政府はこの黒字を、保険料や患者自己負担の引き下げにあてるのでなく、国庫負担率の引き下げで国からの支出を減らすきっかけにしました。

 政府は国庫負担率を引き下げても五年間は財政悪化しないとしていましたが、それでも、赤字になった場合の国庫負担率の引き上げについて、何度も質問に答えています。当時の山下徳夫厚生大臣は「必要に応じてご指摘の趣旨をも踏まえ、検討してまいりたい」、黒木保険局長も「国庫補助の復元について検討させていただく」(九二年三月十日)などと答弁しました。

 しかし政管健保は国庫負担を引き下げた翌年の九三年から毎年赤字が続き、積み立ても底をつく事態となっています。この間、国庫負担率は一度も引き上げられず、保険料や患者自己負担のみが引き上げられました。

 今国会で政府・与党が強行した医療改悪によって、政管健保は本人三割負担や保険料率の大幅な引き上げが押し付けられます。しかも、政府見通しでも、健保財政は五年目には積立金とり崩しが必要となります。

 政管健保の国庫負担は、負担率引き下げによる削減分の累計が一兆六千億円に達します。この削減がなかったら、財政危機もありませんでした。ほんらい政管健保の16・4%国庫負担は健康保険法で定めた最低限度の国の責任です。いまの13%を元に戻すことに、国は特別に重い責任があります。

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 〔2002・8・1(木)〕

 


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