日本共産党

2002年7月30日(火)「しんぶん赤旗」

アフガン結婚式爆撃

米軍が証拠隠滅はかる

砲弾破片など回収

英紙報道 国連調査で判明


 【ロンドン29日田中靖宏】今月一日米軍機がアフガニスタン中部ウルズガン州カクラカイ村の結婚式場を爆撃し五十人以上を殺害した事件で、直後に米軍が現場に入って証拠隠滅を図っていたことが、国連調査で明らかになりました。

 英紙タイムズ二十九日付が報じた国連調査団の予備報告書によると、空爆の直後、米軍など連合軍の部隊が到着して「現場の片付け」を行い、「砲弾の破片や弾丸、血痕」など証拠を取り除きました。現場にいた女性たちは後ろ手に縛られたとされます。

 米軍機への対空砲火があったとの米軍側の主張について同報告書は、「主張を裏付けるものは何も見当たらなかった」と判定。事件についての「米軍側の説明には食い違いがみられる」とし、「重大な人権侵害が行われたことは明らかだ」と結論づけています。

 アフガニスタンの国連スポークスマンは二十八日、調査の最終報告書でいっそう詳細な経過が明らかにされると指摘するとともに、「人道上も政治上からも二度と起こしてはならない事件だ」と強調しました。

 タイムズ紙は、最終報告がだされれば「米国防総省は極めて困った事態に追い込まれるだろう」としています。

 国連とは、別に米・アフガニスタン合同調査団が調査にあたっているとされます。これまで何も公表されておらず、いつ公表されるかも明らかにされていません。米国防総省は米軍機のカメラが対空砲火を確認しているとしているものの、フィルムを公表していません。

 国連の予備報告書について米当局は、独自に調査中であるとしてコメントを拒否しています。

 


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