日本共産党

2002年7月22日(月)「しんぶん赤旗」

中国製やせ薬被害

国民生活センターにも 2年前から相談あった

厚労省 「自己責任」と放置


 死者四人が出るなど全国に広がっている中国製のダイエット用食品などによる健康被害で、これまで、国民生活センターにも十五件の相談がよせられ、なかには健康被害も訴えられていたことがわかりました。しかし、厚生労働省が製品名を公表して注意喚起したのはやっと今月十二日。「消費者の自己責任」として放置してきた責任が問われています。

 国民生活センターの今月十二日までのまとめによると、「せん之素こう嚢(せんのもとこうのう)」「御芝堂減肥こう嚢(おんしどうげんぴこうのう)」の二つの健康食品にかんする相談は十五件。このうち、前者は十四件で、健康被害が出たという相談が二〇〇〇年十二月から二〇〇一年七月までに三件ありました。相談では、「どうき、手の震え、湿疹(しっしん)、かゆみ」や「のどのはれ、微熱」などを訴えており、同省がこれらの健康被害に早い時期から手をうっていれば、これほどの被害拡大にならなかった可能性があります。

 相談者は、輸入代行業者によるインターネットの通信販売・個人輸入で購入しているのが特徴。厚労省も、インターネットの個人輸入・通信販売による「未承認医薬品」「健康食品」の被害は「消費者の自己責任」として、必要な対策をとってこなかったのが実情です。個人代行輸入には、薬事法の規制が及ばず、問題があっても、代行業者は罰せられないという問題があり、輸入代行業者がやりどくになるという制度の見なおしが迫られています。

 厳密にいえば、二薬品は未承認薬なので、ホームページ(HP)などでこれらを宣伝した場合、薬事法違反となりますが、中国の代行業者が同国や海外のHPで宣伝した場合、これを規制する法律はありません。

 このため、これらの被害を防ぐには、たとえ原因が分からなくても、早急に製品名を公表、消費者が服用しないようにする必要がありました。

 厚生労働省担当者は「これほどの被害が出てくるとは思わなかった」と話しています。

 国民生活センターへの相談で「せん之素こう嚢(せんのもとこうのう)」による健康被害を訴えたおもな事例

 (1)折り込みチラシを見て、通信販売でやせる薬を購入した。報道では、鉛が入っていて、甲状腺異常になるらしい。湿疹が出たので業者に連絡したが、大丈夫だと言われ飲用を続けた。動悸(どうき)、手のふるえ、湿疹、かゆみがある。(2000年12月、38歳、女性、九州)

 (2)やせたが、身体がだるくなった。(2001年6月、55歳、女性、北陸)

 (3)エステ店で6万3千円で購入。「やせられる」と言われて、2週間で3キロ減ったが、のどの腫れや微熱が続き、医者に診てもらったが、原因が分からず、飲用をやめたら治った。(2001年7月、26歳、女性、九州)

 


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