日本共産党

2002年7月17日(水)「しんぶん赤旗」

帝京大に補助金不交付

文科省が方針

寄付問題の報告に納得せず

宮路前厚労副大臣、口利きも調査へ


 帝京大学が医学部入試の寄付金問題で調査報告書を提出したのを受け、遠山敦子文部科学相は十六日、「報告は具体的な記述がなく社会が納得できない」として、今年度の同大への経常費補助金を不交付とするなどの制裁措置をとる方針を発表しました。大学の報告は、宮路和明前厚生労働副大臣の口利き問題についてもいっさいの関与を否定するなど疑問に答えないもので、今後の追及がますます重要になっています。

 大学側が十五日に提出した調査報告書で認めたのは、過去五年間で医学部入学者の9・9%、寄付金の約二割が旧文部省通知で禁止されている入学手続き前の収受だった――という点で、寄付の金額や収集方法などは明らかにしませんでした。

 また、宮路氏の事務所が受験番号を伝えた口利き問題について、大学側は「(受験番号の)やりとりをした人は誰もいないことを確認した」と否定しましたが、文科省は「さらに調査する方向で考えている」としました。「口利き」がなければ、宮路氏の辞任さえ必要がないという結論になってしまいます。

 十六日の記者会見で、遠山文科相は「大学としての会見も行わず、社会的責任を果たしているのか疑問で極めて遺憾に思う」と不満を表明。同大に対し、寄付金の流れなどを解明するため、近く現地調査と追加資料の提出要請を行うことを明らかにしました。

 文科省は、今年度の経常費補助金の不交付のほかにも、(1)昨年度以前の寄付金収入に不適切な点があった場合、過去五年分の同補助金の返還(2)同大グループの帝京平成大の新学科の設置申請を認めない(3)寄付金受け入れの取り扱いで同大に改善を求める―などの方針も決めました。同省によると、対象となる学校法人帝京大学(二短大含む)への同補助金は昨年度までの五年間で約六十三億八千五百万円。今年度は約十六億円の見込み。

 帝京大は調査報告書で、同省が通知で禁止している入学手続き前の寄付金受け入れの事実を一部認めましたが、歴代事務局長の二人の「判断と責任」で行われたとし、総長の責任をいっさい認めませんでした。

 


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