日本共産党

2002年7月17日(水)「しんぶん赤旗」

PKO要員訴追猶予決議

安堵とともに 欧州から批判も


 【ウィーンで岡崎衆史】国連安全保障理事会が十二日、国連平和維持活動(PKO)要員に対する国際刑事裁判所(ICC)の捜査・訴追を一年間猶予する決議案を採択したことについて、欧州諸国からは安堵(あんど)とともに、ICCに反対する米国の要求で同裁判所の効力が損なわれたことへの批判の声がでています。

 欧州連合(EU)議長国デンマークは十三日、「安保理での妥協を歓迎する」との声明を発表。とりわけ、今回の決議によって、拒否権をちらつかせる米国によって存続が危ぶまれていたボスニア・ヘルツェゴビナPKOの任期延長が可能になったことに安堵を表明しました。

 一方、ベルギーのミシェル外相は国営RTBF放送で「国際法の威信やICCの抑止効果への新たな打撃であり、非常に歓迎しているというわけではない」と発言。スウェーデンのリンド外相も「ICCの裁判権から国連要員や特定の国を除外することは原則的に誤っている」と批判しました。

 また、フィッシャー・ドイツ外相は声明で、「安保理での妥協は(懸念となっている)留保事項を完全に考慮したものとはなっておらず、対話継続の余地を残したままだ」と述べ、ICCの効力を弱めない形での解決に向け、米国を説得する姿勢を強調しました。

 


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