2002年7月8日(月)「しんぶん赤旗」
「脱ダム宣言」で知られる田中康夫長野県知事を迎えての「これからの地域づくり」講演会が七日午後、熊本県錦町の勤労者体育センターで開かれました。川辺川ダム建設が大きな問題となっている球磨地域での講演会だけに住民・県民の関心は強く、千七百人が参加しました。
田中氏は、県の条例による委員会が、ダムはいらないとの答申を出し、それを尊重したことや、地元が潤うという主張にも、工事費の八割が県外の大手に持っていかれ道理がないことを指摘。脱ダム宣言は、税金の使い方をよりわたしたちのためにすることであると強調。住民との対話を進めてきたことをのべるとともに、強行にダム建設を主張する勢力があることについて「私たちの理解を超えた奥深い何かが横たわっている。それを変えていかなければいけない」と語りました。
最後まで話を聞いていた大島津喜さん(69)=球磨村=は「田中さんは地元住民の生の声をよく聞いている。熊本でもどれだけ県民が立ち上がるかが大切かが、どれだけ大事かよくわかり元気がでる」と話していました。
川辺川利水訴訟の梅山究団長は「田中さんはダムにノーといった。熊本県知事にもノーといわせる環境をつくらなければならない」と語っていました。